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2019/02/09

乗り方というのは忘れないもの

スローライフやエコの流れから、またツーキニスト、メタボ対策など、自転車ブームがこのところつづいている。そんな中、大人の男の遊びとしても、自転車が注目を集めている。この場合の自転車はもちろんママチャリなんかではなく、スタイリッシュなツーリン
グ車だったり、高価なマウンテンバイクだったりする。
その類のお父さんたちには、自転車に乗るのは何十年ぶり、なんてことが少なくないのだけれど、それでも難なく乗れてしまう。昨日の晩ご飯が思い出せなくても、大昔に覚えた自転車の乗り方というのは忘れないものなのだ。


こういうとき、「体が覚えている」という表現を使うけれど、覚えているのは手や足の筋肉ではなく、やはり脳なのだそうだ。
記憶は脳にとどまる期間によって、短期記憶と長期記憶に分かれ、長期記憶はその内容によってさらに、宣言的記憶と手続き的記憶に分けられる。前者は言葉により記述できる類の記憶であり、後者は体で覚えていることや、無意識の行動に関する記憶である。自転車の乗り方は手続き的記憶に属していて、その記憶は小脳がつかさどると考えられている。
脳にはシナプスという、ニューロン(脳の神経細胞)の情報の伝達を担う細胞がある。


その伝達効率が低下すると長期抑圧という現象が起こり、これにより、自転車の乗り方などの記憶が小脳に半永久的に残るのだという。
やりなれた動作が無意識におこなえるのは、体の動きを一つひとつ細切れではなく、連続した全体の流れとして脳が覚えているから。久しぶりに自転車にまたがったときは、「あれ、どうやるんだったかな?」と一瞬とまどうこともあるかもしれないが、ペダルを踏み出すと、あとはスイスイいけてしまう。
もちろん自転車だけでなく、水泳、逆上がり、スキー、野球など、体で覚えた動きはみな記憶されている。おばあちゃんがお手玉を、それも三、四つをすばやい動作で回していて驚くことがあるけれど、これも同じメカニズム。かわいい少女だったころに覚えたお手玉が、体にしみついているのだろう。


ただし、すべてが自転車のように昔どおりにいくとはかぎらない。それは、脳が記憶していても、肝心の筋肉や体力がついてこないからだ。逆上がりのタイミングは体が覚えていても、重くなった体がもち上がらないとか、クロールや平泳ぎの動きは完全に再現できても、すぐに疲れて手足がついてこないとか。悲しい現実だ。
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2019/01/17

弁慶の泣き所


足の小指や弁慶の泣き所を家具や一ドアなどの角でうつか・り強打したら、どんな力自慢の男でも、一瞬声を失ってその場にうずくまるだろう。
そのような状況では、当たり前だがぶつけた、ところが痛い。しか、し、肘を打ちつけてしまった場合はちよっ・と違う。ぶつけた肘の痛みよりも、肘から小指にかけてのしびれのほうがはるかにつらいからだ。それも、じんじん、とかじわ-つ、としたしびれ方、とは違って、ビリビリやとまるで電気が走るような感覚で、それからビーン、と余韻のしびれがある。

この書しびれのも、とは、腕を走る大きな神経の一つ、尺骨神経。肘の内側(小指側)を通って、まっすぐ小指周辺まで伸びている。腕から手指にかけてはほかにも、榛骨神経や正中神経などの大きな神経が通っているが、肘の部分では、尺骨神経だけが皮膚のすぐ下を走っているのだという。

肘周辺には筋肉や脂肪などクッションになるものが少ないため、肘をぶつける、と、その衝撃は尺骨神経にダイレクトに伝わるこ、とになる。それが前腕を走って小指や薬指のしびれを引き起こすというわけだ。しびれはふつうは一分もつづくものではないが、あまりにも強く打ちつけていたり、当たり所が悪かったりすると、数日間、数か月間も違和感が残ることもあるという。

尺骨神経が肘のところで圧迫された状態が続くと、小指から薬指にかけての知覚障害や運動障害を引き起こすことがある(肘部管症候群)。仕事などで長時間机に肘をついている人に見られるほか、ケガなどにより変形した骨で尺骨神経が圧迫されることもある。
尺骨神経は本来、尺骨神経溝という細い溝に入っている。しかしスポーツ選手などが肘の曲げ伸ばしを何度もくり返すうち、この溝からはずれてしまい、痛みや麻揮が生じることもある。これを尺骨神経の脱臼という。
2018/11/14

偏平足

赤ちゃんが生まれると、記念にと手形や足形をとることがある。この赤ちゃんの足形は、足の外周がきれいに写しとれる。一方、大人の場合、プールサィドなどで水に濡れた足跡を見ればわかるように、内側のアーチの部分が地面から浮いている。

この浮き上がった部分が「土踏まず」。偏平足とは、簡単にいえば、このアーチがない足のこと。土踏まずのアーチのシルエットは、身体の重みを分散して無理なく支えるのに適した構造になっているという。

新生児には土踏まずがなく、足の裏は真っ平らだ。やがて歩き始めると、足の筋肉や靭帯の発達に伴い、しだいに土踏まずが形成されていく。アーチが完成するのはだいたい六歳ごろだといわれている。
土踏まずがないと、体重の分散がうまくいかないため足が疲れやすかったり、バランスがとれずに転びやすかったりする。姿勢も悪くなりがちになる。また足への負担から、膝、腰、股関節などの痛みを引き起こすこともある。


ところが最近は偏平足の子どもたちが増えていて、土踏まずがなかったり、あってもアーチが小さいことが少なくないという。昔と違って裸足で歩く機会が少ないことや、外で遊ぶ時間が少ないことが、おもな原因ではないかと考えられている。また、偏平足は遺伝することもあるという。
「自分はちゃんと土踏まずがあるから大丈夫」と安心してはいけない。一度形成されたア-チが崩れることもあるのだ。自分の足に合わない間違った靴を履きつづけたり、長年ハイヒールばかり履いているなど、靴の問題が一つ。運動不足による筋力の低下や過度の肥満から、身体の重みに耐えきれなくなることが一つ。反対に、使いすぎで偏平足になるケースもある。たとえば、長時間の立ち仕事をする人などは要注意。身体を酷使するアスリートなどにも、偏平足は多く見られる。


運動神経の優れたスポーツ選手が偏平足になるのは一見矛盾した感じだが、この場合の偏平足は、メカニズムが通常とは異なる。足周辺の筋肉、とくにふくらはぎの筋肉が極度に鍛えられると、かかとの骨が上に引っ張られてしまうのだという。当然かかとの骨は、抵抗して地面に足をつこうと踏ん張りつづけ、やがてアーチがなくなってしまうのだ。


幸い、訓練によって再び土踏まずを取り戻すことができるという。つま先立ちや縄跳びなどの運動のほか、アーチを押し上げる矯正用のインソールも効果的ということだ。