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2018/11/14

偏平足

赤ちゃんが生まれると、記念にと手形や足形をとることがある。この赤ちゃんの足形は、足の外周がきれいに写しとれる。一方、大人の場合、プールサィドなどで水に濡れた足跡を見ればわかるように、内側のアーチの部分が地面から浮いている。

この浮き上がった部分が「土踏まず」。偏平足とは、簡単にいえば、このアーチがない足のこと。土踏まずのアーチのシルエットは、身体の重みを分散して無理なく支えるのに適した構造になっているという。

新生児には土踏まずがなく、足の裏は真っ平らだ。やがて歩き始めると、足の筋肉や靭帯の発達に伴い、しだいに土踏まずが形成されていく。アーチが完成するのはだいたい六歳ごろだといわれている。
土踏まずがないと、体重の分散がうまくいかないため足が疲れやすかったり、バランスがとれずに転びやすかったりする。姿勢も悪くなりがちになる。また足への負担から、膝、腰、股関節などの痛みを引き起こすこともある。


ところが最近は偏平足の子どもたちが増えていて、土踏まずがなかったり、あってもアーチが小さいことが少なくないという。昔と違って裸足で歩く機会が少ないことや、外で遊ぶ時間が少ないことが、おもな原因ではないかと考えられている。また、偏平足は遺伝することもあるという。
「自分はちゃんと土踏まずがあるから大丈夫」と安心してはいけない。一度形成されたア-チが崩れることもあるのだ。自分の足に合わない間違った靴を履きつづけたり、長年ハイヒールばかり履いているなど、靴の問題が一つ。運動不足による筋力の低下や過度の肥満から、身体の重みに耐えきれなくなることが一つ。反対に、使いすぎで偏平足になるケースもある。たとえば、長時間の立ち仕事をする人などは要注意。身体を酷使するアスリートなどにも、偏平足は多く見られる。


運動神経の優れたスポーツ選手が偏平足になるのは一見矛盾した感じだが、この場合の偏平足は、メカニズムが通常とは異なる。足周辺の筋肉、とくにふくらはぎの筋肉が極度に鍛えられると、かかとの骨が上に引っ張られてしまうのだという。当然かかとの骨は、抵抗して地面に足をつこうと踏ん張りつづけ、やがてアーチがなくなってしまうのだ。


幸い、訓練によって再び土踏まずを取り戻すことができるという。つま先立ちや縄跳びなどの運動のほか、アーチを押し上げる矯正用のインソールも効果的ということだ。
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2018/09/18

骨折の治療

経験した人ならおわかりか、と思うが、骨折の治療は固定が基本。ギプスや牽引、副子など、骨折した場所によって手段は異なるものの、とにかく安静を保つことに重点がおかれる。というか、手術などの必要がある重度のケースを除いては、治療というよりただ治るのを待っている感じだ。
骨には優れた治癒能力がある。骨が折れると、まず骨の中の血管から出血が起きる。この血液が固まって止血の役割をはたすと同時に、折れた骨の隙間をとりあえずふさいでくれる。そこにすかさず骨芽細胞という新しい骨を作る細胞が寄り集まってきて、分裂をくり返し増加しながら、少しずつ組織の修復をおこなう。
骨芽細胞が一定量に達すると、そこにカルシウムなどが沈着して、仮骨と呼ばれる応急処置的な骨が形成される。仮骨の状態ではまだ柔らかく、形状も整ってはいないが、今度は破骨細胞の働きが活発になり、仮骨の不要な部分を壊していき、しだいにもとどおりの姿に修復してくれるのだ。
部位にもよるが、一般には固定期間は四週間前後ほどではないだろうか。もちろん年齢による差もある。大人よりも子どものほうが治癒能力が高いし、高齢者の場合はそもそも骨がもろくなっていることもあって治りにくい。また、手の舟状骨(手首の親指側の骨)


など、とくにくっつきにくい骨もあるという。
折れた骨を固定する際には、ちょっとしたコツがあるという。素人考えでは、割れた茶碗を修復するときのように、断面をぴったり合わせて接着するイメージなのだが、折れた骨と骨をつなぐときは、あえてぴったりとは合わせないのだそうだ。

というのも、骨には、圧力がかかると骨芽細胞の働きが活発になり、反対に張力がかかると破骨細胞の働きが活発になる性質があるという。そのため、多少隙間を残しておいたほうが、適度な圧力が生じて骨芽細胞が精力的に働いてくれるので、早く、しかもしっかりと骨がくっつくということだ。
ところで、スポーツ選手などが骨折して治療に入り、驚異的な早さで回復して試合に復帰してくることがある。もちろん専門のスタッフがついて、特別なプログラムをおこなっているのだろう。サッカーの日韓W杯直前にベッカムが足を骨折した際に使用した高気圧酸素療法の治療機器は、「ベッカム・カプセル」として、その後多くの負傷した選手たちに活用されているという。
2018/07/07

たんこぶ


「学校で遊んでいて、友達とぶつかって、たんこぶができてしまいました」
 
これを読んで、どんな映像が思い浮かぶだろうか? どこをぶつけたとは一言も書かれてはいないけれど、誰もがきっと、頭か額の一部がぷくつと腫れ上がった様子を思い描いたに違いない。


 
体の一部を強く打ちつけたとき、血管が傷つき内出血を起こすことがある。患部が腕や腿などの柔らかい場所の場合、あざが残る。あざが青や紫に変色して見えるのは、流れ出た血液が体内で固まって、それが肌を通して透けているためだ。
 
ところがぶつけた箇所が頭の場合、皮膚の下には厚くて硬い硬膜があり、内出血を起こ しても、流れ出た血の行き場がない。やむなく外側へふくらみ、こぶとなるのだ。つまり、ほかの部位ではあざになるべきところが、頭や額などの場合にかぎり、たんこぶになるといえる。たんこぶの中身は、内出血により固まった血液というわけ。
 
単に「こぶ」というと、いわゆる「こぶとりじいさん」のこぶのような脂肪や腫傷の塊や、静脈癌などのこぶ劃笥)含むけれど、一般に「たんこぶ」といえば、ぶつけてできたこぶを指す。もちろん俗称で、医学的には皮下出血とか頭皮下血腫などと呼ばれる。
 
では、たんこぶの「たん」っていったいなんだろう? はっきりとはわかっていない
が、近いところで「青たん」という言葉がある。青あざと同じ意味で、最近では全国的に使われているが、もともとは北海道地方の方
言なんだとか。こぶも広義のあざに含まれると考えると、「たんこぶ」「あざ」+「こぶ」と考えることもできそうだ。
 たんこぶができてしまったら、すぐに冷やすこと。冷やすことで出血が広がるのを抑えられ、たんこぶは早く引っ込む。