2018/07/07

たんこぶ


「学校で遊んでいて、友達とぶつかって、たんこぶができてしまいました」
 
これを読んで、どんな映像が思い浮かぶだろうか? どこをぶつけたとは一言も書かれてはいないけれど、誰もがきっと、頭か額の一部がぷくつと腫れ上がった様子を思い描いたに違いない。


 
体の一部を強く打ちつけたとき、血管が傷つき内出血を起こすことがある。患部が腕や腿などの柔らかい場所の場合、あざが残る。あざが青や紫に変色して見えるのは、流れ出た血液が体内で固まって、それが肌を通して透けているためだ。
 
ところがぶつけた箇所が頭の場合、皮膚の下には厚くて硬い硬膜があり、内出血を起こ しても、流れ出た血の行き場がない。やむなく外側へふくらみ、こぶとなるのだ。つまり、ほかの部位ではあざになるべきところが、頭や額などの場合にかぎり、たんこぶになるといえる。たんこぶの中身は、内出血により固まった血液というわけ。
 
単に「こぶ」というと、いわゆる「こぶとりじいさん」のこぶのような脂肪や腫傷の塊や、静脈癌などのこぶ劃笥)含むけれど、一般に「たんこぶ」といえば、ぶつけてできたこぶを指す。もちろん俗称で、医学的には皮下出血とか頭皮下血腫などと呼ばれる。
 
では、たんこぶの「たん」っていったいなんだろう? はっきりとはわかっていない
が、近いところで「青たん」という言葉がある。青あざと同じ意味で、最近では全国的に使われているが、もともとは北海道地方の方
言なんだとか。こぶも広義のあざに含まれると考えると、「たんこぶ」「あざ」+「こぶ」と考えることもできそうだ。
 たんこぶができてしまったら、すぐに冷やすこと。冷やすことで出血が広がるのを抑えられ、たんこぶは早く引っ込む。

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2018/04/29

指がしわしわ

「ママー、指がしわしわになっちゃったよ!どうしよう~」
「大丈夫、お風呂から上がってしばらくすれば、もとに戻るから」
「どうしてしわしわになるの?」
「ずっとお湯につかっていたから、指がふやけちゃったのよ」
日本人なら誰もが一度は体験しているであろう、このやりとり。まだ考えの浅い子ならば、テキトーな母親の説明にも「なんだ、そうだったのかあ」と納得してくれるけど、ちょっと知恵のついた子だったらそれではすまない。
「でもどうして、ほかのところはしわしわにならないの?」
というツッコミを受け、母親は答えに詰まってしまうかもしれない。


あのブョブョとしたなんとも気色悪い触感と、自分の指が自分のものじゃなくなるような感覚。指先だけでなく、手のひらや足の裏もふやけることがあるけれど、それ以外の場所では見られない。また、お風呂のお湯にかぎらずプールなどでも、長時間入っていればしわしわになることはある。


皮膚は外側から順に、「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層から成っている。表皮の一番上には「角質層」がある。角質層はミルフィーュの断面のような層を形成していて、厚さ(層の数)は場所によって異なる。手のひらや足の裏はとくにこの層が厚く、そして角質層は、厚いほど硬くて乾いているのだという。
さて、角質層には水分を閉じ込める働きがある。角質層がうんと厚いということは、それだけ乾燥していて、大量の水分を吸収することができるということ。長時間水に触れていると、角質細胞に余分な水分が入り込みふくれてしまう。
「なるほど~」とここで納得した人、もう少しよく考えて!「ふくらむ」と「しわしわ」になるって、ちょっと矛盾していると思わないだろうか?
しわしわの理由は、ふくらむのは角質細胞だけだということ。その下の細胞は変化しないから、ふくらんだところがひだのようになって、しわしわに見えるのだ。
世の女性たちは、保水だ保湿だといって、この角質層を守ることに躍起になっている。顔の角質層は薄いから、

せっせと肌に水分を送り込まないと、乾燥してしまうのだ。
「でもどうして、ママの指はしわしわにならないの?」
うっ……。年齢とともに、角質層の水分保持能力は衰えてくるのだ。
2018/03/30

そばかす

しみは、おもに紫外線によってメラニン色素が沈着したもの。新陳代謝が活発な若いときには一定のサイクルで排出されていたものが、代謝の衰えとともに、皮層に残って沈着するようになるのだ。女性の場合はとくに、女性ホルモンのバランスが崩れ始めると皮膚中のメラニン穎粒が増え、しみができやすくなる。
しみは発生する原因、できる部位、形状などにより分類できる。

20代以降の女性に特有の、女性ホルモンの影響で発生するしみは「肝斑」。目の下や頬などに、左右対称に広がるのが大きな特徴だという。妊娠中に突然増えるしみもこのケースが多く、たいていは出産を終えると薄くなるといわれる。
紫外線と老化が原因で顔や手足、背中などに現れるしみは、「老人性色素斑」と呼ばれる。もっとも一般的なしみがこれ。老人性とついているけれど、二○代くらいから徐々に現れ、高齢者では必発とされ、ほとんどの人に見られる。


これに対して、そばかすは一般に子どものころに現れ始める。医学的には「雀卵斑」といい、しみの一種と考えられている。おもに遺伝的な要因といわれ、しみよりも一つひとつの色素沈着は小さいが、点在して多数現れるのが特徴だ。
ほかにも、炎症や傷の跡が色素沈着して残る「炎症後色素沈着」など、いくつかのタイプがある。ただし一度できてしまったしみについては、紫外線によって悪化するという共通点があるそうだ。
「しみが出るのは年をとった証拠」みたいに思いがちだけれど、このように必ずしも加齢が原因とはかぎらない。もし自分の顔にしみを発見したら、くよくよする前にどのタイプに該当するかよく考えよう。また他人の顔にしみを発見しても、「意外と若くないのかな?」などとうがった見方をしたりすることのないように。
しみ・そばかすがメラニン色素が残って沈着してできるのに対し、ほくろは、メラニンを多く含んだ母斑細胞が寄り集まってできたもの。先天的なものと後天的なものがある。
ほくろは皮層の表面に近いところにでき、平らなものと盛り上がったものがあるが、しみ・そばかすはもっと皮層の深いところにできるという点で、ほくるとは大きく異なる。