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2018/09/18

骨折の治療

経験した人ならおわかりか、と思うが、骨折の治療は固定が基本。ギプスや牽引、副子など、骨折した場所によって手段は異なるものの、とにかく安静を保つことに重点がおかれる。というか、手術などの必要がある重度のケースを除いては、治療というよりただ治るのを待っている感じだ。
骨には優れた治癒能力がある。骨が折れると、まず骨の中の血管から出血が起きる。この血液が固まって止血の役割をはたすと同時に、折れた骨の隙間をとりあえずふさいでくれる。そこにすかさず骨芽細胞という新しい骨を作る細胞が寄り集まってきて、分裂をくり返し増加しながら、少しずつ組織の修復をおこなう。
骨芽細胞が一定量に達すると、そこにカルシウムなどが沈着して、仮骨と呼ばれる応急処置的な骨が形成される。仮骨の状態ではまだ柔らかく、形状も整ってはいないが、今度は破骨細胞の働きが活発になり、仮骨の不要な部分を壊していき、しだいにもとどおりの姿に修復してくれるのだ。
部位にもよるが、一般には固定期間は四週間前後ほどではないだろうか。もちろん年齢による差もある。大人よりも子どものほうが治癒能力が高いし、高齢者の場合はそもそも骨がもろくなっていることもあって治りにくい。また、手の舟状骨(手首の親指側の骨)


など、とくにくっつきにくい骨もあるという。
折れた骨を固定する際には、ちょっとしたコツがあるという。素人考えでは、割れた茶碗を修復するときのように、断面をぴったり合わせて接着するイメージなのだが、折れた骨と骨をつなぐときは、あえてぴったりとは合わせないのだそうだ。

というのも、骨には、圧力がかかると骨芽細胞の働きが活発になり、反対に張力がかかると破骨細胞の働きが活発になる性質があるという。そのため、多少隙間を残しておいたほうが、適度な圧力が生じて骨芽細胞が精力的に働いてくれるので、早く、しかもしっかりと骨がくっつくということだ。
ところで、スポーツ選手などが骨折して治療に入り、驚異的な早さで回復して試合に復帰してくることがある。もちろん専門のスタッフがついて、特別なプログラムをおこなっているのだろう。サッカーの日韓W杯直前にベッカムが足を骨折した際に使用した高気圧酸素療法の治療機器は、「ベッカム・カプセル」として、その後多くの負傷した選手たちに活用されているという。
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2018/07/07

たんこぶ


「学校で遊んでいて、友達とぶつかって、たんこぶができてしまいました」
 
これを読んで、どんな映像が思い浮かぶだろうか? どこをぶつけたとは一言も書かれてはいないけれど、誰もがきっと、頭か額の一部がぷくつと腫れ上がった様子を思い描いたに違いない。


 
体の一部を強く打ちつけたとき、血管が傷つき内出血を起こすことがある。患部が腕や腿などの柔らかい場所の場合、あざが残る。あざが青や紫に変色して見えるのは、流れ出た血液が体内で固まって、それが肌を通して透けているためだ。
 
ところがぶつけた箇所が頭の場合、皮膚の下には厚くて硬い硬膜があり、内出血を起こ しても、流れ出た血の行き場がない。やむなく外側へふくらみ、こぶとなるのだ。つまり、ほかの部位ではあざになるべきところが、頭や額などの場合にかぎり、たんこぶになるといえる。たんこぶの中身は、内出血により固まった血液というわけ。
 
単に「こぶ」というと、いわゆる「こぶとりじいさん」のこぶのような脂肪や腫傷の塊や、静脈癌などのこぶ劃笥)含むけれど、一般に「たんこぶ」といえば、ぶつけてできたこぶを指す。もちろん俗称で、医学的には皮下出血とか頭皮下血腫などと呼ばれる。
 
では、たんこぶの「たん」っていったいなんだろう? はっきりとはわかっていない
が、近いところで「青たん」という言葉がある。青あざと同じ意味で、最近では全国的に使われているが、もともとは北海道地方の方
言なんだとか。こぶも広義のあざに含まれると考えると、「たんこぶ」「あざ」+「こぶ」と考えることもできそうだ。
 たんこぶができてしまったら、すぐに冷やすこと。冷やすことで出血が広がるのを抑えられ、たんこぶは早く引っ込む。

2018/04/29

指がしわしわ

「ママー、指がしわしわになっちゃったよ!どうしよう~」
「大丈夫、お風呂から上がってしばらくすれば、もとに戻るから」
「どうしてしわしわになるの?」
「ずっとお湯につかっていたから、指がふやけちゃったのよ」
日本人なら誰もが一度は体験しているであろう、このやりとり。まだ考えの浅い子ならば、テキトーな母親の説明にも「なんだ、そうだったのかあ」と納得してくれるけど、ちょっと知恵のついた子だったらそれではすまない。
「でもどうして、ほかのところはしわしわにならないの?」
というツッコミを受け、母親は答えに詰まってしまうかもしれない。


あのブョブョとしたなんとも気色悪い触感と、自分の指が自分のものじゃなくなるような感覚。指先だけでなく、手のひらや足の裏もふやけることがあるけれど、それ以外の場所では見られない。また、お風呂のお湯にかぎらずプールなどでも、長時間入っていればしわしわになることはある。


皮膚は外側から順に、「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層から成っている。表皮の一番上には「角質層」がある。角質層はミルフィーュの断面のような層を形成していて、厚さ(層の数)は場所によって異なる。手のひらや足の裏はとくにこの層が厚く、そして角質層は、厚いほど硬くて乾いているのだという。
さて、角質層には水分を閉じ込める働きがある。角質層がうんと厚いということは、それだけ乾燥していて、大量の水分を吸収することができるということ。長時間水に触れていると、角質細胞に余分な水分が入り込みふくれてしまう。
「なるほど~」とここで納得した人、もう少しよく考えて!「ふくらむ」と「しわしわ」になるって、ちょっと矛盾していると思わないだろうか?
しわしわの理由は、ふくらむのは角質細胞だけだということ。その下の細胞は変化しないから、ふくらんだところがひだのようになって、しわしわに見えるのだ。
世の女性たちは、保水だ保湿だといって、この角質層を守ることに躍起になっている。顔の角質層は薄いから、

せっせと肌に水分を送り込まないと、乾燥してしまうのだ。
「でもどうして、ママの指はしわしわにならないの?」
うっ……。年齢とともに、角質層の水分保持能力は衰えてくるのだ。
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