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2019/08/03

なぜ蚊に刺されるとかゆいのか


腕や足に止まった蚊をパシーッと仕留めたら、叩いた手のひらに血がついてこない。
「よかった、吸われる前に仕留めたぞ!」と思ったのに、それでもやっぱりカューイ……
そんなこと、ないですか?


 まず、そもそもなぜ蚊は人の血を吸うのか?
 人を刺すのはじつは雌だけ。産卵に向けて、雌の蚊はたんぱく質を確保しなくてはならない。その格好の供給先が、人間の血というわけだ。もちろん、人間以外の動物の血を吸うこともある。犬を飼ったことがある人なら、蚊を媒介として犬がフィラリアに感染する恐れがあることをご存知だろう。まあ、同じ吸うなら人間の血が一番栄養がありそうなので、とくに人間に近寄る蚊の気持ちはわからないでもない。
 
そんなわけで雌の蚊はせっせと人間の血を求めるのだが、血液には凝固因子があり、空気に触れると固まってしまうため、そのままでは血を吸うことができない。ところが蚊の唾液には、血液の凝固を阻止する物質が含まれているのだという。そこで蚊はまず唾液を人間の体に注入して、まんまと血にありつくわけだ。
 
さて本題の「なぜ蚊に刺されるとかゆいのか」だが、何度も蚊に刺されるうち、人間の体には抗原(蚊の唾液)に対する抗体が形成される。そして抗原の侵入に対して、アレルギー反応を起こすようになるのだ。つまり、何度か刺されて抗体がつくられるまでは、かゆくはならないことになる。そういえば、赤ちゃんは蚊に刺されてもあまりかゆがったりしない。
 
かゆくなるメカニズムは納得できた。だが、ここでまた一つの疑問が。刺された瞬間から樺くなり始めるまで、決まってタイムラグがあると思わないだろうか? じつはこの間、私たちは感覚を麻揮させられているのだという。なんと蚊の唾液には、そのような麻酔物
質も含まれているのだ。一、二分経つとこの麻酔が切れて、突然かゆみを感じるというわけ。
恐るべし、蚊の唾液。


 
ところで、刺されやすい血液型があるとか、若い人のほうが刺されやすいとか、しばしば冗談交じりに語られる。「私、蚊に刺されやすいの~」なんて、どういうわけか自慢げな人もいるが、実際に、「刺されやすい要因」というのがいくつか明らかになっている。蚊は、人の体温や呼気中の二酸化炭素、汗のにおいなどを感じとって近づいてくる。そのため、呼気中の二酸化炭素が多いとき(お酒を飲んだあとなど)や、汗だくで寝ているとき、平常体温が高めの人(子どもなど)が、より刺されやすくなるという。
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2019/06/12

30度でも暑くて死にそうなのに、サウナで死なないのか?

「暑くて寝てられない~」と、思わずエアコンのリモコンに手が伸びる夏の夜。夜間の最低気温が二五度を超えたら、それはもう熱帯夜。そして日中の最高気温が三五度を超えたら猛暑日。テレビも新聞も、熱帯夜だ猛暑日だと騒ぎ立てる。

三○度そこらで暑い暑いとヒイヒイいっているのに、「はぁ~今日は汗かいたなあ」と、いい心地でつかる浴槽の温度は四○度前後。改めて考えてみると、ちょっと不思議ではないか?サウナにいたっては一○○度前後で、まあたしかに熱いけれど、五分ぐらい入っていてもどうってことはない。

これには、空気と水との熱容量の違いが関係しているらしい。同じ容積量の空気と水では、水のほうが圧倒的に多くの熱を蓄積することができるという。これは裏を返せば、「多くの熱を奪える」、ということでもある。体温より一度でも低いお湯につかれば、瞬く間に体の熱を奪われ、冷たいと感じることになる。好みの湯加減に個人差はあるが、体温よりやや高めの四○度前後が適温ということになる。


また、空気と水の熱伝導率の違いも影響する。水は空気に比べてはるかに熱伝導率が高い、つまり熱を伝えやすいという特徴がある。そのため、熱いお湯に触れればすぐに熱いと感じるが、空気の熱さはダイレクトには感じられない。このことは冷たさにも共通し、気温○度と水温○度では感じ方がまったく違う。


サウナ(ドライサウナ)の場合、湿度が低いというのも一つの要因。体から出た汗が膜をつくって皮層の乾燥を守り、さらにその汗が蒸発する際、いっしょに体の熱も奪ってくれるのだという。私たちの体も、外部との熱のやりとりをコントロールしているのだ。


そういえば、たとえばアメリカ西海岸では、かなり気温が上がってもカラッとして不快ではない。赤道に近い国では、四五度以上の気温でも人々は快適に生活している。体温を超える気温では、体温を維持するための熱放散が適正におこなわれなさそうに思えるが、湿度が低いために、水分の蒸発や熱の放散が自然と機能しているのだろう。


だがふつう、人は四五度を超えるお風呂には入っていられない。まずその熱さの刺激に耐えられないと思われるが、もしつかりつづければ、熱放散が正常におこなわれずに、体温がどんどん上昇してしまうといわれる。
それにしても、日本の夏は暑さはひどくなる一方。地理の授業で「温暖湿潤気候」と習ったけれど、このまま地球温暖化がつづくとどうなるのだろう?
2019/05/08

痒みというのは特殊なもの


掻くてたまらないのに、「掻いちゃいけませんよ」とお母さんもお医者さんもいう。そんな殺生な……。痒いところに手が行くのは本能でしょう!だったらどうして、孫の手や耳かきがお茶の間の必需品なんだ!
「掻かないようにしよう」という強い自制心で掻くのを我慢できても、就寝中は知らない間にボリボリやってしまうものだ。一説には、皮層や粘膜など表層部に接触した異物や刺激物が津みとして伝わり、それを取り払おうとする意思が掻く動作につながるといわれる。生体防御反応の一種なのだ。

人間の感覚の中でも、痒みというのは特殊なものらしい。そのメカニズムにはまだ解明されていない部分が多いのだが、痒みは痛みと密接な関係があるようだ。両者は神経経路は独立しているものの、感じとる受容体を共有しているという説がある。これにしたがえば、蚊に刺されたところを引っ掻くと、本来の痒みよりもより強い刺激である、掻かれた痛みの信号が神経に伝わる。それで一時的に津いのを忘れるというわけだ。掻かずに爪でバツ印をつくる方式も愛好されているようだが、これも、爪跡がつくほど強く押す痛みで
津みをごまかしていると思われる。

つまり、掻くことによって痒みが治まるのではなく、痒みを感じにくくしているだけ。
根本的に解決しているわけではないから、やがて再び津くなる。
掻いてはいけないといわれる理由は、掻くと皮膚が傷ついて炎症を起こしたりして、よけいに樺くなるから。さらに傷口からパイ菌が入って化膿することもある。また、掻いているうちにほかのところまで津くなってしまうことがある。これは、掻いたところからヒスタミンという物質が分泌され、それが広が
るためなんだとか。うんうん納得、だがわかったところで我慢できるかどうか……。