2018/03/30

そばかす

しみは、おもに紫外線によってメラニン色素が沈着したもの。新陳代謝が活発な若いときには一定のサイクルで排出されていたものが、代謝の衰えとともに、皮層に残って沈着するようになるのだ。女性の場合はとくに、女性ホルモンのバランスが崩れ始めると皮膚中のメラニン穎粒が増え、しみができやすくなる。
しみは発生する原因、できる部位、形状などにより分類できる。

20代以降の女性に特有の、女性ホルモンの影響で発生するしみは「肝斑」。目の下や頬などに、左右対称に広がるのが大きな特徴だという。妊娠中に突然増えるしみもこのケースが多く、たいていは出産を終えると薄くなるといわれる。
紫外線と老化が原因で顔や手足、背中などに現れるしみは、「老人性色素斑」と呼ばれる。もっとも一般的なしみがこれ。老人性とついているけれど、二○代くらいから徐々に現れ、高齢者では必発とされ、ほとんどの人に見られる。


これに対して、そばかすは一般に子どものころに現れ始める。医学的には「雀卵斑」といい、しみの一種と考えられている。おもに遺伝的な要因といわれ、しみよりも一つひとつの色素沈着は小さいが、点在して多数現れるのが特徴だ。
ほかにも、炎症や傷の跡が色素沈着して残る「炎症後色素沈着」など、いくつかのタイプがある。ただし一度できてしまったしみについては、紫外線によって悪化するという共通点があるそうだ。
「しみが出るのは年をとった証拠」みたいに思いがちだけれど、このように必ずしも加齢が原因とはかぎらない。もし自分の顔にしみを発見したら、くよくよする前にどのタイプに該当するかよく考えよう。また他人の顔にしみを発見しても、「意外と若くないのかな?」などとうがった見方をしたりすることのないように。
しみ・そばかすがメラニン色素が残って沈着してできるのに対し、ほくろは、メラニンを多く含んだ母斑細胞が寄り集まってできたもの。先天的なものと後天的なものがある。
ほくろは皮層の表面に近いところにでき、平らなものと盛り上がったものがあるが、しみ・そばかすはもっと皮層の深いところにできるという点で、ほくるとは大きく異なる。
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2018/03/08

四十肩、五十肩

あなたの身近にいる中高齢者がもし「肩が痛い」「腕が上がらない」とぼやいていても、
「動かさないから鈍っているんだよ」「運動すれば治るわよ」などと気安くアドバイスしてはいけない。それは四十肩もしくは五十肩かもしれないからだ。
呼び名は二つあるけれど、どちらも「一眉関節周囲炎」という症状。四十肩より五十肩のほうが症状が重いなどということはない・二とおりの呼び方が生まれた理由には諸説ある。
四○代の患者に「五十肩です」とはいいづらいので「四十肩です」といったとか、昔は四十肩といったのが平均寿命が延びて五十肩になったとか。

肩関節周囲炎とは、文字どおり肩関節とその周囲の炎症が原因で起こる症状。加齢とともに肩周辺の筋肉が衰えて、それまでなめらかに動いていた部分に摩擦が生じるようになり、痛みや運動制限を引き起こすのだ。
肩関節とは、上腕骨と肩甲骨のつなぎ目のこと。三六○度フレキシブルな動きをサポートするだけあって複雑なしくみであると同時に噛み合わせが弱い。脱臼しやすいのもそのためだ、という。これを補強するのが周囲の筋肉で、筋肉と骨、とを健板、という繊維状の組織が連結している。さらにその周囲には、動きをなめらかにする役割をJい)つ滑液包がある。
これらの連携が徐々に狂い始めると摩擦が生じ、健板や滑液包の炎症が起き、やがては関節の癒着や損傷につながる。
「肩こりとたいして違わないんじゃないの?」、と他人は思ってしまいがちだけれど、肩こりは首から肩にかけての筋肉の一時的な緊張・疲労だから、メカニズムがまったく違う。

また、リウマチ、肩峰下滑液包炎、健板断裂、石灰化健炎など、ほかの原因で肩の痛みが生じることもある。実際、四十肩・五十肩を疑って来院する患者の多くが、別の病気だといわれている。

さて一眉関節周囲炎の経過には、大きく二つのステップがある。痛み始めから数か月は急性期(炎症期)。いわゆる癌痛が激しく、痛みで夜眠れないという患者も少なくない。この時期には、無理に動かしてはいけないという。安静にして、消炎鎮痛剤や湿布などを使って、痛みを軽減させる。この期間を乗り越えると慢性期(拘縮期)に入る。なにをしなくても痛いということはなくなるが、動かす角度によって痛みを感じる状態。肩を温めながら運動を積極的におこない、少しずつ動かせる範囲を増やしていく。患者は先が見えずに不安になりがちだが、半年~二年程度かかってしだいに痛みは治まっていくという。
2018/02/04

唇の赤

ちよっと意外だが、唇を、もつのは動物の中で、も浦乳類だけだ、という。いわれてみればそうか。浦乳類以外の脊椎動物には、唇はもとより頬もなく、食べ物は基本的に丸飲みだ。
哨乳類といえばおっぱい。要はおっぱいを吸うために、筋肉が発達し、すぼめられる形状になっている、ということだ。その中でも、赤い唇をもつのは人間だけなのだそうだ。


唇の赤は、じつは血液の色。
唇は皮層ではなくて、口の中の粘膜がめくれて外に露出したものなのだ、という。皮層ではないので表面の皮が非常に薄く、色素がない。そのために、血管が透けて赤く見えるのだ。下まぶたの裏側が赤いのと同じことだ。たしかに、赤、といっても厳密には赤黒いことが多い。


唇の色は健康状態を映しやすい。たとえば、プールに長時間入っていて唇が紫色になることがある。これは、寒さで唇の血管が収縮して血液中の酸素が不足するため。チアノーゼという状態になっており、より深いところにある静脈が透けて見えているのだという。
また常に唇の色が悪い人は、貧血、血行不良、冷え性などの症状があることが多い。血液の異常を確認しやすいので、赤ちゃんの健康状態を判断するときにも、唇の色を見ることが多いようだ。


粘膜というだけあって、ほかの皮層より敏感なのも大きな特徴。指先よりもずっと感覚受容器が多い場所なのである。唇に多くの感覚受容器が集まっているのは、そこが消化器官の入口だから。熱い飲み物や異物を、体内に入る前に感知してシャットアウトするためには、鋭い感覚を備えている必要があるのだ。赤ちゃんはなんでも口に運ぶ習性があるが、そうすることでモノの形や大きさを確認しているといわれる。


また、冬になると肌よりも先にまず唇が荒れたり、切れたりする。唇には汗腺や皮脂腺がない。そのため、外的な刺激を受けやすいのだ。唇の荒れは、乾燥はもちろん、風邪やビタミン&不足などによっても起こる。唇の端が切れるのは、胃の機能が低下している証拠だといわれる。疲れやストレスがたまっているときは、唇の周りに口唇へルペスなどの
粘膜性疾患も起こりやすい。
唇の色が悪いからといってせっせと口紅を塗りたくる女性がいるが、口紅の発色にはもとの唇の色も影響する。唇の色素が濃い人などの場合、そのままでは見本どおりの色が出ないので、コンシーラーなどで地色を抑えてから口紅を乗せるとよいという。