2013/10/29

「クラミジア」

 「クラミジア」は、性感染症(STD)の1つで、「クラミジア・トラコマチス」という病原体に感染して起こります。感染者数は、図1のように年々増えています。特に、10歳代後半〜20歳代の若い女性に多くみられるのが特徴です。
 クラミジアは、感染しても自覚症状がほとんど現れないことが特徴です。そのため、早期に受診し、治療を受ける人が少なく、男性も女性も、「自分が感染源である」という自覚がないまま、パートナーにうつし、感染が拡大していきます。また、図2のようなことも、クラミジアの感染が広がる原因としてあげられます。





感染が引き起こす病気

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 女性の場合、クラミジアの病原体は、まず子宮頚管に感染します。感染に気がつかないまま放置すると、子宮体部、卵管、卵巣周辺、骨盤内、腹腔上部へと感染が広がり、図3のような病気の原因になります。
 男性の場合も、早期に治療を受けずに放置すると、「精巣上体炎」を起こして、男性不妊になることがあります。
 また、クラミジアに感染すると、性器周辺の細胞が傷つけられ、他の病原体に感染しやすい状態になるため、HIVに感染する確率が高まるという報告があります。



■検査と治療

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 クラミジアの検査は、女性の場合、子宮頚管や膣の分泌物を調べたり、血液検査で抗体を調べたりします。男性の場合は、尿道の分泌物か尿で検査します。
 クラミジアは、感染すると治療をしないかぎり治りません。治療には、抗菌薬が用いられます(図4)。治療で大切なのは、「治ったかどうかを確認するため、再検査を受ける」「必ずパートナーと一緒に治療を受ける」ことです。なお、卵管や卵巣などに癒着が起きている場合は、その治療が必要になります。



■予防法

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 クラミジアに限らず性感染症を予防するためには、「性感染症に関する正しい知識をもつ」「コンドームの使用を徹底する」ことです。また、感染の拡大を防ぐためには、「早期発見、早期治療に努める」「パートナーも同時に治療する」ことが大切です。


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2013/10/25

エイズの現状

 「エイズ」は、「HIV」というウイルスに感染して起こる病気です。
 HIVに感染すると、体内でウイルスが増殖し、さまざまな病原体から体を守る免疫細胞が破壊されます。その結果、徐々に免疫の働きが弱まって病気への抵抗力が失われ、やがて通常ならかかることのないさまざまな合併症を起こすようになります。
 国内のエイズ患者・HIV感染者の数は、毎年増え続けています。その一方で、「HIV抗体検査」を受ける人は減少しています
2013/10/25

エイズ治療の基本

 HIVに感染してからエイズを発症するまでには、通常、数年から十数年の「無症候期」があります。ただし、その間も体内ではウイルスが盛んに増殖して、徐々に免疫の機能を低下させているので、この無症候期に適切な治療を行うことが重要です。
 治療の基本は、薬によってウイルスの増殖を抑え、エイズの発症を防ぐことになります。有効な治療法が開発された現在では、「病気の進行をコントロールしながら生活できる病気」と考えられるようになってきています。
2013/10/14

クラミジア、感染が引き起こす病気

女性の場合、クラミジアの病原体は、まず子宮頚管に感染します。感染に気がつかないまま放置すると、子宮体部、卵管、卵巣周辺、骨盤内、腹腔上部へと感染が広がり、図3のような病気の原因になります。
 男性の場合も、早期に治療を受けずに放置すると、「精巣上体炎」を起こして、男性不妊になることがあります。
 また、クラミジアに感染すると、性器周辺の細胞が傷つけられ、他の病原体に感染しやすい状態になるため、HIVに感染する確率が高まるという報告があります。


■検査と治療

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 クラミジアの検査は、女性の場合、子宮頚管や膣の分泌物を調べたり、血液検査で抗体を調べたりします。男性の場合は、尿道の分泌物か尿で検査します。
 クラミジアは、感染すると治療をしないかぎり治りません。治療には、抗菌薬が用いられます(図4)。治療で大切なのは、「治ったかどうかを確認するため、再検査を受ける」「必ずパートナーと一緒に治療を受ける」ことです。なお、卵管や卵巣などに癒着が起きている場合は、その治療が必要になります。



■予防法

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 クラミジアに限らず性感染症を予防するためには、「性感染症に関する正しい知識をもつ」「コンドームの使用を徹底する」ことです。また、感染の拡大を防ぐためには、「早期発見、早期治療に努める」「パートナーも同時に治療する」ことが大切です。
2013/10/14

結核、重症の患者さんが増えている

「結核」は、年間約4万8000人が新たに発病しています。結核菌は、本来、感染力があまり強くないうえ、結核菌に感染しても、十分な抵抗力があれば、結核菌の増殖が抑えられ、発病はしません。また、発病しても、早期に適切な治療を受ければ、ほぼ100%治ります。ところが、結核にかかっていることがわかったときには、すでに他人に感染させるおそれのあるほど重症の患者さんが、ここ数年、増える傾向にあります。
 結核の重症化を生み出す背景には、発病した人が医療機関できちんと治療を受けないことや、医師の指示どおりに、決められた期間、抗結核薬を服用しないことなどがあげられます。こうしたことは、病気がよくならないだけでなく、「薬剤耐性」をもった結核菌をつくることにもつながります。
2013/10/14

エイズとは?

「エイズ(AIDS)」とは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染して、病原体から体を守る免疫力が破壊される感染症で、日本語では、「後天性免疫不全症候群」といいます。HIVに感染した人(HIV感染者)は、徐々に病気への抵抗力が衰え、やがて、普通ならかからない、さまざまな病気にかかります。このように、合併症を起こした状態が「エイズの発症」で、合併症を起こしたHIV感染者は、「エイズ患者」と呼ばれます。

 HIVは、感染者の「血液、精液、腟分泌液、母乳」などと濃厚な接触があると、感染します。感染経路のなかで圧倒的に多いのが、「感染者との性交渉(性器、肛門、口腔を使ったセックス)」によるものです。ほかに、「輸血」「注射の回し打ち」「妊娠・出産・授乳」などから感染することもありますが、「せきやくしゃみ、トイレやふろの共用」など、日常的な接触、蚊や犬、猫からは感染しません。
 HIVに感染してからエイズになるまでの間を、「無症候期」といい、平均で約10年間あります。この時期は、普通の人と同じように生活でき、検査を受けなければ、本人も感染には気づきません。しかし、体内にはウイルスがいるので、感染を知らずに性交渉を持ち、相手に感染させることが、最も問題となっています。現在のところ、治療で完全にウイルスを排除することはできませんが、ウイルスの増殖を抑え、病気の進行や発症を遅らせることが可能で、無症候期は、徐々に長くなる傾向にあります。
2013/10/14

エイズ治療の基本

 HIVに感染してからエイズを発症するまでには、通常、数年から十数年の「無症候期」があります。ただし、その間も体内ではウイルスが盛んに増殖して、徐々に免疫の機能を低下させているので、この無症候期に適切な治療を行うことが重要です。
 治療の基本は、薬によってウイルスの増殖を抑え、エイズの発症を防ぐことになります。有効な治療法が開発された現在では、「病気の進行をコントロールしながら生活できる病気」と考えられるようになってきています。
2013/10/14

御用心!しつこいせき、たん/気道感染症

■気道感染症とは

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「気道感染症」とは、空気の通り道である気道にウイルスや細菌などが感染して、炎症が起きる病気です。鼻腔から喉頭までの「上気道」に感染が起こると、「くしゃみや鼻水、のどの痛み」などが起こります。喉頭より下の気管、気管支などの「下気道」に感染が広がると「たんやせき」が出るようになり、ひどくなると、気管支炎や肺炎が起こります。
 気道感染症の8〜9割はウイルス感染が原因で、これがいわゆる「かぜ」です。残りの1〜2割が細菌感染によるものです。今回は、細菌性の気道感染症を取り上げます。

■症状の特徴

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細菌には「肺炎球菌、インフルエンザ菌」などの一般細菌と、「マイコプラズマ、クラミジア」などの特殊細菌があります。
 一般細菌が原因で起こる気道感染症は、急に発熱して症状が重くなる特徴があります。膿性のたんを伴う湿ったせきが起こり、いわゆる「かぜをこじらせた状態」になります。中耳炎や副鼻腔炎、肺炎などを起こすこともあります。一般細菌への感染は、多くの場合、ウイルス感染の後に起こる「二次感染」によって起こります。
 一方、特殊細菌が原因で起こる気道感染症は、一般細菌が原因で起こる場合に比べ、症状は軽いことが多く、高熱になることはほとんどありません。しかし、じわじわと症状が進行するため、「体がだるい、のどが痛い、夜になるとせきがひどくなる、乾いたせきがなかなか治まらない」などの特徴があります。特殊細菌への感染は、「一次感染」によるものが多くなります。
 ウイルス感染による気道感染症の場合、症状は通常4〜5日、長くても10日ほどで治まります。これは、体内で抗体がつくられ、ウイルスを排除するためです。これに対して、せきやたんなどの症状が10日以上続く場合は、細菌による気道感染症が強く疑われます。








■治療

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細菌性の気道感染症は、抗菌薬による治療が中心になります。原因菌により、効果のある薬は異なりますが、原因菌を特定するには時間がかかるため、実際には、症状などから疑わしい菌を推測して処方薬を決めます。場合により、たんなどを採取し、原因菌を特定する検査を行うこともあります。 一般細菌が原因の場合は、細菌の細胞壁の合成を阻害する「セフェム系」や「ペニシリン系」の抗菌薬を使用します。どちらも副作用が少なく、広く使われています。細菌の細胞内のDNAやRNAの合成を阻害する「ニューキノロン系」の抗菌薬は、一般細菌、特殊細菌を問わず使用されます。また、細胞がたんぱく質を合成するのを阻害する「マクロライド系」や「テトラサイクリン系」の抗菌薬は、特殊細菌や、一部の一般細菌に使用されます。
 通常、セフェム系、ペニシリン系の抗菌薬は約4〜7日間、ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系の抗菌薬は約2週間服用します。抗菌薬を服用し始めると、3〜4日で症状が緩和されるため、薬の服用をやめる患者さんが多くいますが、特に、特殊細菌の感染症では、そこで服用をやめると、半分以上の人が再発します。1週間の服用でやめても、約3割は再発します。抗菌薬の服用期間に関しては、必ず医師の指示に従いましょう。

2013/10/14

インフルエンザ

■インフルエンザとは

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 インフルエンザは、広い意味ではかぜの一種ですが、インフルエンザとかぜとでは、病原体、感染経路、症状などが異なります(図1)。
 インフルエンザは、高熱に加えて、全身症状が急に起こるのが特徴で、抵抗力の弱いお年寄りや乳幼児では、十分な注意を要します。特に、お年寄りでは、肺炎を併発して、亡くなる人が少なくありません。また、乳幼児の場合、亡くなることはまれですが、やはり肺炎や気管支炎を併発したり、「熱性けいれん」を合併することもあります。




■インフルエンザウイルスの特徴

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 最近、流行しているインフルエンザウイルスは、「A香港型」「Aソ連型」「B型」の3種類です。ウイルスに感染すると、体内で「抗体」がつくられ、再びウイルスが進入してきても、その後は感染しにくくなります。
 ところが、インフルエンザウイルスは突然変異を起こしやすく、突然変異を起こすと、その抗体が働かなくなってしまいます。そのため、何回もインフルエンザにかかるのです。
2013/10/14

インフルエンザの予防接種は本当に効果があるのでしょうか

■インフルエンザワクチンの、発病を防ぐ効果

 インフルエンザの予防接種を受けていない人が1,000人いた場合、流行によりその中の約100人が発病すると言われています。インフルエンザワクチンの有効率は70〜90%です。これは、例えば、効果が80%の場合、「ワクチンを接種していなければ100人発病するところ、接種していたので、その80%は発病せず、結果、発病したのは20人だった」ということです。(図1参照)
 「ワクチンの接種をしていれば、1,000人中約980人は発病しない」ということですが、「接種していなくても900人は発病しない」ので、数字だけを見ると有効性は感じられません。しかし、特に乳幼児や高齢者は、接種したとしないとでは、死亡率、入院率といった症状の重さが全然違います。「軽くする」という意味でも、毎年接種することが大事です。



■予防接種を受けてもインフルエンザにかかってしまうのは

 インフルエンザワクチンを接種することにより体の中に抗体をつくり、感染を防ぐのですが、ワクチンを接種してもあまり抗体が上昇しない場合や、十分な抗体ができるまで(成人で最低1週間、子どもで約1か月)の間に、感染してしまうこともあります。
 現在使われているワクチンは、A香港型、Aソ連型、B型すべてを併せた三種混合ワクチンですので、どの型に対しても一応の対処はできています。しかし、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変異していますので、いくらこちらに高い抗体価があっても、ウイルスのほうが変質していれば、多少その効果が低下することもあります。(図2参照)