2013/12/30

高齢者にやさしい漢方治療/胃もたれ・食欲不振

■お年寄りと漢方治療

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 お年寄りの病気には、「生理機能や免疫力が低下して、感染症にかかりやすい」「同じ年齢でも、体力などの個人差が大きい」「複数の病気があり、薬が多い」「明確な診断が困難」といった特徴がみられます。
 このようなお年寄りの病気に対して、漢方治療を行うと、「全身状態を改善するので、免疫力がある程度高められる」「病気ではなく、人の体全体を治療の対象ととらえるので、その患者さんに合わせた治療が行える」「1つの処方にいくつもの生薬が使われる漢方薬は、作用する範囲が広いので、さまざまな症状の改善を図ることができる」「西洋医学的な病名がつかない場合でも、患者さんの体質や症状に合った治療が行える」といった効果が期待できます。



■胃もたれ・食欲不振の診断

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 胃もたれや食欲不振がある場合、西洋医学では、まず内視鏡検査を行います。そして、がんやかいようなどがないことが確認されると、「機能性消化障害」の「運動不全型」と診断され、「消化管運動機能改善薬」などで治療します。
 一方、漢方治療では、漢方独自の診察を行い、「証」や「気・血・水」などの考え方により、患者さんの全身状態をとらえます。慢性的な胃もたれ・食欲不振があるお年寄りの場合は、ほとんどが「虚証」とみられ、胃もたれ・食欲不振のほかに、症状が起きていることがよくみられます。また、多くの場合、「気虚」、「水毒」の状態に陥っていると考えられます。
 なお、漢方治療を希望する人で、かいようやがんなどの病気がないことが確認できていない場合は、漢方治療を始める前に、内視鏡検査が勧められることがあります。



■代表的な処方と効果

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 虚証のお年寄りの胃もたれ・食欲不振には、一般に「六君子湯」を処方します。六君子湯を服用しても効果が見られない場合は、胃もたれ・食欲不振以外の症状に合わせて、処方を変更します。
 胃もたれ・食欲不振に対する漢方薬の効果は、ほとんどの場合、数日〜2週間ほどで現れてきます。胃の調子がよくなるほか、全体的に体調がよくなったと感じるようです。
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2013/12/27

高齢者にやさしい漢方治療/便秘が続くとき

■高齢者の便秘と漢方治療

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 高齢になるに従って、便秘を訴える人は増えますが、その多くは、加齢による大腸機能の低下や運動不足、食生活の変化などによるものです。
 便秘の原因は、さまざまですが、漢方治療が向くのは、大腸機能の異常による慢性的な便秘や、開腹手術後の腸管癒着による便秘などです。また、長年、下剤(西洋薬)を使用していた人が、年をとって、下剤が効かなくなったり、合わなくなったという場合にも、漢方薬を用いることがあります。一方、大腸がんなど、臓器そのものに病気がある場合は、その治療を先行させなければなりません。
 漢方薬は、1人1人の体の状態や、便秘の原因・症状に合わせて処方されるので、便秘の解消とともに、胃腸の機能を高めたり、体の水分代謝の改善なども、併せて期待できます。



■診断

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 漢方治療では、便秘の場合も、その人の「証」の診断から始めます。一般に、高齢になるに従って、陰証、虚証の人が増えます。また、「問診、腹診、脈診、舌診」などによって、便秘の症状についても、虚証か実証かを診断します。



■代表的な処方と効果

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 便秘に効果のある「大黄」という生薬が含まれる処方は、通常、実証の便秘に使われますが、大黄が入っている処方のなかでも、お年寄りや、虚証の便秘まで幅広く使えます。大黄を含む処方を服用しても効果がない場合や、下痢、腹痛などの症状が出たときには、便秘以外の症状に合わせて、大黄の含まれていない処方を用います。
 漢方薬を用いると、便通がよくなるほかに、体全体の調子もよくなる場合があり、便秘が治っても、その処方を続けたいという人もいますが、その場合は担当医に相談してください。逆に、効果がみられなかったり、下痢や腹痛が起こる場合には、処方を変えたり、薬の量を減らしたりします。

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2013/12/27

高齢者にやさしい漢方治療/腰の痛み

■慢性腰痛と漢方治療

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 老化によって腰の骨や椎間板に変形が起こると、変形した骨や椎間板が、神経を圧迫したり、刺激したりするので、腰に痛みが生じます。
 腰痛がある場合、西洋医学では、まず問診が行われ、必要に応じて、エックス線検査、CT検査、MRI検査などが行われます。慢性的な腰痛と診断された場合、治療で手術が行われることはあまり多くはなく、薬物療法を中心に、運動療法、物理療法が行われます。
 漢方治療は薬物療法の1つですが、西洋薬と漢方薬では、治療の目的が異なります。漢方薬は、手術の必要はないが、慢性的に腰が痛むといった場合の治療に適しています。
 腰痛で漢方治療を希望する場合は、まず西洋医学的な診察や検査を受け、手術の必要がないことや、ほかの病気が隠れていないことを確かめたうえで、受けるようにしましょう。



■代表的な処方

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 腰痛に対して漢方治療を行う場合も、漢方的な考え方に基づいて患者さんの全身状態を診断し、一人一人に合わせて薬が処方されます。
 腰痛に悩むお年寄りでは、腰痛で処方される漢方薬には、ここで紹介した処方以外にも多くの処方があるので、漢方の専門医の診断を受けて、自分に合った漢方薬を処方してもらいましょう。



■漢方薬の効果

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 服用してから効果の出始めるまでの期間は、患者さんによって異なります。一般に、数週間から数か月ぐらいと考えてください。また、腰の痛みが消えなくても、体調などの改善が見られれば、その処方が合っていると考えられます。しかし、一定期間服用しても、何の改善も見られない場合は、別の処方が検討されます。
 なお、それまで使っていた痛み止めなどの西洋薬は、漢方薬の効果が出てくるまでは併用し、痛みが軽くなってきたら、西洋薬を減らすとよいでしょう。

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2013/12/25

ひざの痛み

■ひざの痛みと漢方治療

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 ひざの関節は、年をとるに従って、軟骨がすり減って、関節に炎症が起こると、痛みが生じやすくなります。また、ひざに水がたまることもあります。こうした病態を「変形性膝関節症」といい、高齢者のひざの痛みで最も多くみられます。
 ひざに痛みがある場合、西洋医学では、まず問診を行い、必要に応じて、エックス線検査などを行います。治療には、運動療法、装具療法、薬物療法といった「保存療法」と、「手術療法」があります。
 ひざの痛みに対する漢方治療は、薬物療法の1つとして行われますが、西洋薬と漢方薬では、治療の目的が異なります。漢方薬は、副作用のため西洋薬は使いづらい、あるいは、保存療法を行っても痛みが軽減されないといった場合の治療に適しています。手術が必要な場合には、漢方治療の対象とはなりません。



■代表的な処方

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 漢方治療では、ひざの痛みに対しても、漢方的な考え方に基づき、全身状態を診断することが基本となります。特に、ひざの関節に水がたまるのは、「水毒」が原因と考えられ、その場合は、体から余計な水分を追い出すような薬が処方されます。
 



■漢方薬の効果

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 慢性の痛みの場合、短期間の服用で効果がすぐに現れるというわけにはいきませんので、数週間から数か月は服用を続けるようにしましょう。ひざの痛みが消えない場合でも、体調によい変化が見られる場合は、その処方は合っていると考えられます。しかし、一定期間服用しても、何の改善も見られない場合は、別の処方が検討されます。
 また、ひざの痛みを軽減するためには、漢方治療を続けると同時に、日常生活でひざへの負担を軽くする工夫も大切です。


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2013/12/19

検査値の見方

■肝臓の働き

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 肝臓には、「肝動脈」と「門脈」という太い血管が通り、内部には毛細血管が張り巡らされています。肝動脈からは、肝臓の細胞(肝細胞)に必要な酸素や栄養が、また、門脈からは、主に小腸から吸収された栄養が送り込まれます。
 肝臓の主な働きは、「代謝」「解毒」「胆汁の分泌」の3つです。



■肝炎とは

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 肝臓病の代表的なものは肝炎ですが、その約9割がウイルスに感染して起こる「ウイルス性肝炎」です。肝炎を引き起こすウイルスは何種類かありますが、肝臓の炎症が慢性化するタイプのウイルスは「B型肝炎ウイルス」と「C型肝炎ウイルス」の2種類です。
 肝細胞がウイルスに感染すると、ウイルスが増殖して炎症が生じ、急性肝炎を起こします。その後ウイルスが排除されて治ることもありますが、ウイルスが完全になくなることは少なく、炎症が慢性化する割合が多く見られます(慢性肝炎)。B型肝炎の場合はキャリア(ウイルス感染者)の約1割が慢性化し、C型肝炎の場合は急性肝炎を起こした人の6〜7割が慢性化するといわれています。慢性肝炎になると、やがて「肝硬変」「肝臓がん」へと進行することもあります。



■肝臓の検査

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・GOT(AST)・GPT(ALT)
 GOTとGPTは、健康診断などの血液検査で一般的に行われる検査項目です。肝炎などで肝細胞が破壊されていると、値が基準値よりも高くなります。
肝炎ウイルスによる急性肝炎を起こすと、これらの値が急激に上昇することもあります。また、慢性肝炎へと移行すると、B型肝炎の場合、GOTやGPTが正常値よりも高くなりやすいので、毎年検査を受けていれば、通常、早期に発見できます。一方、C型肝炎の場合は、慢性肝炎に移行しても、10〜15年ぐらいはウイルスが活動しないため(非活動期)、GOTやGPTはほとんど異常を示さず、血液検査を受けても、検査値に異常が出ない期間が長く続きます(図4)。ですから、検査値に異常がなくても安心せずに、毎年、検査をきちんと受け、わずかな変化も見逃さないようにすることが大切です。
 なお、GOTやGPTが異常を示す病気には、ウイルス性肝炎以外に、脂肪肝やアルコール性の肝障害もあります。健康診断でGOTやGPTに異常があった場合は、その原因を調べるために、必ず再検査を受けてください。
・血小板、アルブミン
 慢性肝炎から肝硬変へ進み、肝臓の機能が低下してくると、血小板数とアルブミンの値が徐々に減少してくるので、これらの値から、肝硬変の進行の度合いを推察します。この2つの検査は、一般的な健康診断では行われませんが、GOTやGPTに異常が見つかった場合は、再検査で行われます。


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2013/12/17

気づきにくい肝炎

■ウイルス性肝炎とは?

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日本人の肝臓病の約80%はウイルスが原因です。肝臓に肝炎ウイルスが住み着き、免疫によってつくられた「抗体」がウイルスの住み着いた肝細胞を攻撃すると炎症(ウイルス性肝炎)が起こり、肝細胞を壊していきます。肝炎ウイルスに感染していても抗体ができず、肝炎が発病しない場合を「無症候性キャリア」といいます。しかし、いったん抗体ができると、慢性肝炎を発病します。
 肝炎が起こり、肝細胞が破壊されても、すぐには症状は現れません。肝臓には十分な余力があり、肝臓全体の約7分の1が残っていれば、通常の生活に必要な機能を果たすことができるからです。症状が現れてくるのは、肝細胞の破壊がかなり進んでからです。そのため、慢性肝炎にかかっていても、患者さん自身が気づいていないケースもあります。慢性肝炎をほうっておくと、「肝硬変」や「肝臓がん」といった重大な病気につながることがあるので、早めの治療が大切です。
■感染経路

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肝炎を引き起こす肝炎ウイルスは、これまで世界中で6種類が発見されていますが、日本で主に見られるのは、A型、B型、C型の3種類です。
 A型肝炎ウイルスは、食べ物や飲み物を通じて経口感染します。現在、日本国内で新たに感染することは、ほとんどありませんが、海外旅行などで衛生環境がよくない地域を訪れた場合に感染することがあります。
 B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。大人の場合は、性行為により感染するケースがほとんどで、感染した人の20%ほどが急性肝炎を起こします。また、母親がB型ウイルスを保有している場合、出産時に、新生児に感染します(母子感染)。しかし、1985年から、感染の可能性がある新生児にワクチンが接種されるようになり、現在では母子感染は、ほとんどありません。
 C型肝炎ウイルスの主な感染経路は、「輸血、血液製剤、注射の使い回し」です。1994年以降の輸血用血液や血液製剤は、きちんと検査が行われているため、現在、新たにC型肝炎に感染するケースはほとんどありません。ただし、1994年以前に輸血の経験がある人などは、本人が気づかないまま感染していることもあります



■急性肝炎と慢性肝炎

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ウイルスで引き起こされる肝炎は、「急性肝炎」と「慢性肝炎」に分けられます。急性肝炎は、ウイルスに感染してから一定の潜伏期間を経て、「発熱、頭痛、寒気、吐き気、下痢、倦怠感」などの症状が現れます。A型とB型では、強い症状が起こりますが、C型は症状が弱いため、患者さん自身が急性肝炎にかかっていることに気づかないこともあります。
 A型肝炎は急性肝炎の症状が治まれば、治癒します。また、大人になってから感染して発病したB型急性肝炎も、そのほとんどはそのまま治癒します。B型慢性肝炎になるのは大部分が母子感染によるものです。母子感染した無症候性キャリアの子どもは、10歳代後半〜20歳代で発病し、30%ほどが慢性肝炎になりますが、残りは無症候性キャリアのまま一生を送ります。これに対して、C型急性肝炎は、60〜80%の人が慢性肝炎に移行します。そして、C型慢性肝炎の治療がうまくいかない場合、肝硬変から肝臓がんへと移行する確率が高いのがC型肝炎の特徴です。ただし、現在では治療が進歩し、慢性肝炎は治すことのできる病気になっています。

肝炎ウイルス検査を受けてください。


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2013/12/17

お酒をやめたのに脂肪肝が治らないのはなぜ?

 脂肪肝の原因として、アルコールのほかに糖尿病、肥満なども挙げられますが、アルコールをやめても治らなかったということは、アルコール以外の要因もあったのかもしれません。よく運動をして標準体重を保つようにすれば、肝機能はよくなってくるでしょう。



■脂肪肝とは

 「脂肪肝」とは、肝臓に脂肪がたまる病気です。正常な肝細胞でも約10%は脂肪があるのですが、特に30%以上脂肪がたまってしまった状態を脂肪肝と言います。脂肪がたまりすぎると、代謝・解毒といった肝臓の正常な働きの機能を失ってしまいます。



■脂肪肝を引き起こす原因

 脂肪肝を引き起こす原因としては、アルコール、糖尿病、肥満、偏った食事の4つが挙げられます。
 アルコールは飲みすぎると肝臓に吸収され、脂肪として蓄積されます。一般的に、ビールで換算して「1週間に大瓶2本くらい」のアルコール摂取量の方は、脂肪肝にはなりません。「毎日大瓶3本を5年以上続けている」方ですと、なってもおかしくないレベル。さらに、「毎日5本を10年以上」までいくと、脂肪肝どころかアルコール性肝硬変になる可能性もあります。
 糖尿病の方は代謝が悪くなり、やはり肝臓に脂肪がたまります。
 食事をとりすぎると、糖質やたんぱく質などもすべて脂肪として肝臓に蓄積されます。肥満の型として、脂肪が皮下にたまる人と肝臓にたまる人がいます。太っている人は脂肪肝になりやすいのですが、見た目はやせていても、肝臓に脂肪がたまっている人もいるので注意が必要です。
 偏った食事もよくありません。正しい食生活や運動などで肥満防止に努めてください。


肝臓病の食事療法



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2013/12/14

加工、貯蔵、解毒、排せつの働きを持つ肝臓

●加工、貯蔵、解毒、排せつの働きを持つ肝臓

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“大切なこと”という意味の、“肝心かなめ”という言葉がありますが、これは、肝臓の“肝”、心臓の“心”を当てはめているもので、肝臓や心臓は臓器の中でも非常に大切であるということから生まれた言葉です。
 肝臓は私たちが食べものから消化吸収した栄養を身体で使えるように作り変え、身体の材料にしたりエネルギーを作り出す大切な仕事をしています。毒物を分解し身体を守るのも肝臓の大きな仕事の一つです。心臓と並ぶ重要な臓器です。
 そのために肝臓は強い再生力を持ち、三分の二を切り取ったとしても、数か月で形も機能も元に戻ります。また、普段は2割ほどの力で働き、余力を保っています。この再生力と予備能力のおかげで、少しの障害であれば他の部分が補ってくれるため、病状が悪化しないと症状として現れません。そのため、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれています。



●食べすぎ、飲みすぎ、薬にも注意

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 肝臓を健康に保つためには、肝臓に負担をかけないことが大切です。肝臓への負担要因は、輸血によって広がったウイルスを除けば、ほとんどが生活習慣病から受ける影響です。まず1つは“食べすぎ”です。食べ過ぎると肝臓に脂肪がたまって、脂肪肝になってしまいます。2つめは“飲みすぎ”です。アルコールをたくさん飲むと肝臓の細胞が破壊されて、アルコール性の肝障害、アルコール性の脂肪肝になってしまいます。3つめは、“薬やサプリメント”です。薬やサプリメントは場合によっては肝臓に負担をかけてしまうことがあります。特に手に入りやすいサプリメントは、健康に良いからといって安易に使うのではなく、自分にとって本当に必要なのかをよく考え、使う目的をはっきりさせて、使用量をきちんと守って使いましょう。



●酒と上手に付き合う

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 日本酒1合が肝臓で完全に分解されるには、3〜4時間かかると言われています。肝臓のためには、日本酒であれば1日2合(ビールであれば大ビン2本、ウイスキーであればダブルで2杯、焼酎であればお湯割で2杯、ワインであればワイングラスに軽く注いで4杯)までにしましょう。2合の酒であれば寝ている間(約8時間)に分解しきれますが、2合以上飲むと、分解し終えるまでに8時間以上かかります。朝起きてもまだ代謝し終えていないため、肝臓に負担がかかります。それから、週に2日は連続で休肝日をとることも大切です。肝臓は再生力が強いので、アルコールで傷ついても休めば元に戻ります。休まないで飲み続けてしまうと、負担がかかるばかりで再生は追いつきません。
基準値(代表的な項目のみ) - 北里大学病院 臨床検査

 また、酒を飲むときに、肝臓にやさしいつまみを選ぶことも大切です。魚の刺身、特にさば、アジなど青背の魚がおすすめです。刺身には良質なたんぱく質が豊富で、アルコールで壊れた肝細胞の修復に役立ちます。また、青背の魚の脂には抗酸化作用もあります。2つめのおすすめは肝臓の酵素の働きを助けるビタミンが豊富なレバーです。串焼きであれば1本で十分なビタミンをとることができます。3つめのおすすめは枝豆です。枝豆のビタミンCにはアルコールが分解される過程でできるアセトアルデヒドの分解を助ける働きがあり、二日酔いを防いでくれます。また、枝豆に含まれるアミノ酸には脂肪肝を防いでくれる働きもあります。4つめのおすすめはカキです。カキにはタウリンが豊富に含まれていて、肝細胞を守って強くしてくれる効果があります。
 逆に、酒と一緒にとってはいけないものは“薬”です。薬が体の中に入ってくると、肝臓は毒とみなし、分解して無害なものに変えてしまいます。ではどうして薬が効くのかというと、肝臓が分解できる薬の量には限界があって、その限界を超えて身体にあふれ出るるように薬が調合されているためです。例えば1日3錠飲む薬があったとします。そのうち2錠は肝臓で分解されて無害なものになったとしても、分解しきれなかった1錠が体に回って効果を発揮します。そんな形で分量が決められています。ところが、薬を飲むときにアルコールを一緒にとると、肝臓はアルコールを優先的に分解するため、薬の分解は後回しになり、薬が効き過ぎてしまうことがあるので、気をつけましょう。
肝臓に効果のあるサプリメント


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2013/12/13

自分の肝臓元気度を知ろう

●自分の肝臓元気度を知ろう

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 肝臓は、傷ついても悪化しないと症状として現れないため、“沈黙の臓器”と言われています。これは、肝臓が持つ強い再生力と大きな予備能力が関係しています。肝臓は3分の2を切り取ったとしても、数か月後は機能も形も元に戻るほどの強い再生力を持っています。また、肝臓は普段80%は休んでいて、働いているのは20%だけだとも言われています。いざというときのために余力を残しているのです。肝臓は一部が障害を起こしても、普段休んでいる部分がかわりに働いたり、しばらくして再生するために、病状が悪化して初めて自覚症状が出てきます。

 東洋医学では“期門(きもん)”というツボを押すことで肝臓の状態を知ることができます。右のさ骨の真ん中に指を当て、乳首に向かって下へおろしていき、一番下の肋骨と下から2番目の肋骨の間を押してみてください。肝臓が弱っていると、何となく不快感や痛みを感じます。

 肝臓が弱っている人は、たくさんの肝細胞が傷つき死んでいます。
 けれども、死んだ肝細胞を増やすための薬はありません。肝臓を元気にするには、肝臓自信の再生力を手助けしてあげることです。
 そのためには、まずは、十分な睡眠をとって体を休ませることです。体を休めて、肝細胞を再生するためのエネルギーを作ります。
 2つめは良質なたんぱく質をとることです。良質なたんぱく質は肝細胞を再生するときの材料になります。おすすめの食材ベスト3はたまご、牛乳、レバーです。たまごのたんぱく質は、人間の体を作っているたんぱく質と非常に似ているため、体の中で使いやすくなっています。1日1個食べると良いでしょう。牛乳は手軽にとることができ、体に必要なアミノ酸がたくさん含まれるバランスの良いたんぱく質です。レバーはたんぱく質だけでなく、肝臓に必要なビタミン、ニコチン酸などもたくさん含んでいます。レバーの焼き鳥であれば、1本食べるだけで十分な量を補うことができます。
 3つめのポイントは、ビタミンをたっぷりとることです。ビタミンは肝臓の酵素の働きを高める力があります。



●朝食をしっかり食べよう!

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 肝臓を食事で回復させるためには、まず朝ごはんをしっかり食べるということです。エネルギーを必要としているのは肝臓だけではないため、朝ご飯をしっかり食べないと肝臓以外の部分にエネルギーが使われてしまい、肝臓の働きが悪くなります。
 朝ごはんを肝臓パワーアップ食にするためのアイデアを紹介しましょう。
 まず主食のご飯に玄米をまぜて玄米ご飯はいかがですか。玄米はアルコールなどで弱った肝臓に不足している、ビタミンB1を補うことができます。白米ではビタミンB1が少ないので、玄米や胚芽米などを混ぜるといいです。副菜には、ほうれん草のおひたし、納豆などが良いでしょう。ほうれん草に含まれるビタミンA、Cは肝臓を強くする抗酸化作用があり、葉酸には肝臓の機能を高める効果があります。納豆は、良質なたんぱく質とビタミンB2を補うことができます。ビタミンB2は脂肪の代謝を助けてくれる働きがあるため、脂肪肝の予防になります。そして、汁物にシジミ汁もいいのですが、具をあさりに変えると肝臓を上部にする効果がより高くなります。アサリには肝臓を守ってくれるタウリンがが豊富です。タウリンと言えばしじみ汁、というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実はアサリの方がタウリンを多く含んでいます。


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2013/12/13

肝臓の意外な敵?

●肝臓を痛めつける要因

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 肝臓に負担をかける要因として、アルコールや肝炎を起こすウイルスなどがあることはご存知の方も多いと思いますが、この他にも、便秘、期限切れのスナック菓子、睡眠不足、薬なども肝臓に負担をかけてしまいます。便秘になると、腸にガスがたまり、そこに含まれる有毒なアンモニアが、腸の壁から吸収されて肝臓へ運ばれてきます。肝臓はアンモニアの解毒をしなければならず仕事が増えてしまいます。期限切れのスナック菓子は、中に含まれている油が古くなって酸化しています。酸化された油は、肝細胞の壁を傷つけます。睡眠不足になると、私達の活動時間が長くなり、肝臓はエネルギーを作るために働きます。睡眠時間が少ないと、肝臓は休みなく働かなければならず疲れてしまいます。それから、意外かもしれませんが、体を元気にするために使う“薬”も、実は、肝臓に負担をかける原因になっています。



●薬は肝臓の敵?

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 肝臓の中には、肝小葉(かんしょうよう)と呼ばれる組織がつまっています。肝臓が持つ“加工”、“貯蔵”、“解毒”、“排泄”の4つの働きは、この肝小葉で行われています。外側と真ん中に太い血管が通っていますが、外側の血管からは胃や腸で吸収された栄養や様々な物質を含んだ血液が流れ込んできます。血液はぎっしり並んだ肝細胞の間の通路を通り、内側の血管に向かって移動していきますが、その途中で肝細胞の中に染み込み、血液中に含まれていた栄養はそこで加工され、毒物は分解されます。そして栄養は血液とともに再び肝細胞から染み出して、内側の血管に流れ込んで全身へと運ばれます。
 また、分解された毒物は別の管へ回されて排泄されます。体に入ってきた“薬”も、肝臓では“毒”とみなされて分解されて排泄されてしまうのです。
 ではどうして薬は効くのか、ということになりますが、これは、肝臓で分解しきれない量を飲んでいるからです。1日に3錠の薬を飲んで下さいと言われたとします。すると、3錠のうち、例えば2錠が肝臓で分解され効果を失います。でも、残り1錠は分解しきれずに身体にあふれ出て、このあふれた分が効果を発揮するのです。ですから、薬を飲むと肝臓はせっせと解毒の仕事をしなければならず、負担が増えます。
 また、薬が原因でアレルギーが起こると肝臓は激しく傷つきます。肝臓に入ってきた薬が体に合わないと、薬を分解・排出する過程でアレルギー反応が起きることがあるのです。本来体を守る役割を果たしている免疫細胞が、薬を異物と判断して肝細胞ごと破壊してしまうのです。薬をやめない限り破壊は止まりません。中には劇症肝炎という状態になり、死に至る場合もあります。
 薬でアレルギーが起きているかどうかを自分で知ることはなかなか難しく、薬を飲んで1〜2週間経ってから体がかゆくなったり、皮膚に発疹が出たり、尿が濃い番茶のような色になって初めて気付くことがほとんどです。



●サプリメントは必要な分だけ

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 薬よりも身近なサプリメントも、薬と同じ成分が含まれています。薬剤とは違い、“健康食品”として作られているので、気軽に利用できますが、中には効能の表示がなかったり、アレルギーなどのテストが不十分なものもあります。
 また、肝臓に負担をかけないためには、とり方や分量にも薬と同様の配慮が必要です。栄養は食事からとった方が吸収がよく、安心です。サプリメントが本当に必要かどうかを見極め、上手く使っていただきたいと思います。



 漢方薬でもアレルギー反応が起こって、肝臓や他の臓器に障害を起こすことがあります。漢方薬もあなどらないで、十分に気を付けてとって頂きたいと思います。また、特に気を付けた方がよい薬は、抗生物質や、風邪薬に含まれる鎮痛解熱剤などです。薬を飲んでもなかなか効果が出ないからといって、すぐ飲んだりすると、肝臓に負担をかけてしまいます。
肝臓に効果のあるサプリメント