2014/01/26

もの忘れ克服!脳いきいき活用術?食事で脳いきいき?

脳の老化を防いだり、脳を健康にする食べ物はたくさんあります。例えばDHA、レシチン、ビタミンC、E、ベータカロテンなどはもの忘れ・ボケ防止に効果があります。これらの成分は実は身近な食品の中に多く含まれています。
Q&A形式で、脳を活性化させる食品について詳しくお伝えします!






もの忘れ・ボケを防ぐ食べ物は?


Answer
ビタミンE、C、ベータカロテン、レシチン、DHAなどを含む食品

 もの忘れ、ボケを防ぐにはビタミンE、C、ベータカロテン、レシチン、DHAなどを含む食品を食べると良いと言われています。
 今非常に注目されている"活性酸素"という物質があります。活性酸素は体内で様々な悪影響を及ぼし、ボケやガンなど生活習慣病の原因を作る物質だということが分かってきています。この活性酸素の働きを止めてくれるのが、ビタミンE、C、ベータカロテンなどの抗酸化ビタミンや抗酸化物質です。今の時期だとかぼちゃなどはこれらの3つの抗酸化ビタミンを豊富に含み、栄養バランスも良く、一度に多くの量が食べられるので非常にお勧めです。
 レシチンとは脳の伝達部分にある物質で、信号をお互いやり取りする材料になります。そのため、レシチンが不足してくるともの忘れが激しくなったりします。つまり、レシチンを摂取すれば記憶力を高めることができるといえます。レシチンが多く含まれている食材としては、大豆、豆腐、ピーナッツ、卵黄、麦芽、オートミール、ごま油、コーン油、レバー、うなぎ、小魚などがあります。納豆なども大豆から作られているのでレシチンが含まれています。また、納豆にはナットウキナーゼという酵素が含まれていて、この酵素は血液の中で長時間働いてくれるため、血液をサラサラにしてくれる効果があります。さらに納豆を食べるときにごまを加えると、抗酸化ビタミンを助ける効果のあるビタミンB1、B2が加わるのでお勧めです。また、ごまは抗酸化成分であるゴマリグナンという物質を含んでいるので、非常に良い組み合わせだといえます。
 また、オートミール、ごま油、うなぎなどには、レシチンの元になるコリンというものが含まれています。コリンは体内でレシチンに変化していくので、これらの食品も効果があります。
 DHAはアジなどの青魚に含まれる脂肪酸です。脳の細胞膜はほとんどが魚などの脂肪酸と同じもので作られているため、DHAを摂取すれば神経細胞が痛んだときに、痛んだ部分を修復してくれます。
 今紹介した、もの忘れやボケを防ぐ食材を取るだけではなく、よくかまなくてはいけないような献立を立てることも大切です。"かむ"ということは脳に刺激になります。
 同じ歳で痴ほう症になった方と、ならなかった方の食事を比べてみると、痴ほう症にならなかった方の食事には次のような特徴がありました。
 まず、一つ目は魚、野菜、海藻を多く食べているということです。これらの食品は脳細胞の炎症を減らしてくれます。二つ目は、ビタミンC、ベータカロテン、鉄、カルシウムなどをきちんと取っているということです。ビタミンCやベータカロテンは、脳内で酸素とブドウ糖を利用した時に出る大量のカスを処理してくれます。3つ目は肉よりも魚から脂肪酸を取っているということです。魚などの脂肪酸は先ほど説明したように神経細胞が痛んだときに痛んだ部分を修復してくれます。これらのことからも分かるように、食事に気を付けることによって痴ほう症の予防する効果があるといえます。




--------------------------------------------------------------------------------
question

集中力を高める食事は?


Answer
普段はご飯などの主食類、ここぞ!というときにだけ甘いものを食べる

 実は、脳は糖と酸素のみを使っていて、糖と酸素が1分間途切れると気を失い、10分間途切れると死んでしまいます。つまり、集中力を高めるには糖分を摂取することが大切だといえます。
 図3は糖分を摂取してから経過した時間と血液の中の糖の濃度変化を表したグラフです。砂糖は非常に早く高濃度になり、すっと消えてしまいます。ご飯はゆっくりと濃度が高くなり、ゆっくりと低くなっていきます。このように食品によって糖の濃度変化は違うので、集中力を高めたい時間に合わせて糖分を取ると良いでしょう。例えば長時間仕事をするときには、糖分が減ると眠くなったり集中力が落ちたりするので、糖分が長持ちするご飯などの食品をベースにした食事を一日三回取り、「ここ一番!」というときにだけ甘いものを使うというような糖の取り方が良いといえます。
 砂糖などの甘いものは即効性はありますが、脳の中に栄養素を持続させる効果はありません。ご飯などの主食類は糖の血中濃度が上がるのはゆっくりですが、長時間持続させることができるので、甘いもので糖分を補給するのではなく、ご飯などで糖分を持続させるようにしましょう。また、カルシウムは神経を安定させる効果があるので、カルシウムを含む食品もお勧めです。




--------------------------------------------------------------------------------
question

お酒を飲むと記憶がなくなるのはなぜ?


Answer
脳がダメージをうけているから

 記憶がなくなるまでお酒を飲むという飲み方は飲み過ぎであって、危険な飲み方なので注意して下さい。脳の中には"海馬"というものを覚える場所があり、お酒はこの海馬の働きを抑制してしまいます。記憶がなくなるまで海馬をダウンさせているということは、一時的であっても、脳自身が大きなダメージを受けていることは確かです。記憶がなくなるほどのお酒の量を飲まないように工夫した方が良いでしょう。



717
スポンサーサイト
2014/01/24

これで解決 めまいの不安/お年寄りに多いめまい

お年寄りは、加齢に伴って、平衡感覚をつかさどる器官が衰え、めまいが起こりやすくなります。今回は、「お年寄りによく見られるめまい」について、取り上げます。
 
■お年寄りのめまいの特徴

--------------------------------------------------------------------------------

年をとると、平衡感覚をつかさどる内耳や前庭神経、前庭神経核、大脳皮質などの細胞が、老化によって変性するため、平衡感覚の情報をうまく処理できなくなり、めまいを起こしやすくなります。また、血圧を調節する働きが衰えて、血液の流れをうまくコントロールできなくなるのも、めまいを起こしやすい要因になっています。さらに、高齢になると、いくつもの病気をあわせてもっていることが多く、病気や薬の副作用によるめまいも起こりやすくなります。
 お年寄りの場合、すでに耳鳴りがあったり、もともと難聴になっていることが少なくないうえ、めまいの感じ方が必ずしも典型的ではないため、めまいの診断は容易ではありません。また、もっている病気がいくつもあれば、診断はさらに難しくなります。
 お年寄りのめまいの原因で多いのが、「起立性低血圧、椎骨脳底動脈循環不全、脳梗塞・脳出血、暑さからくる脱水」の4つです。なかでも、「起立性低血圧によるめまい」が最も多いと考えられています。

■起立性低血圧によるめまい

--------------------------------------------------------------------------------

「起立性低血圧」とは、急に立ち上がったときなどに、収縮期血圧(いわゆる上の血圧)が20mmHg以上低下した場合をいいます。お年寄りは、血圧を一定に保つ機能が衰えているため、急に立ち上がると、血圧が下がって脳の血液循環が悪くなり、めまいが起こりやすくなります。起立性低血圧かどうかは、家庭用の血圧計を使って調べられます。まず、座った状態で血圧を測り、測り終わったら立ち上がり、その状態で2〜3分休んだ後、今度は立った状態で血圧を測ります。測定後、両方の収縮期血圧を比較して、立った状態の収縮期血圧が、座った状態よりも20mmHg以上低い場合は、起立性低血圧と考えられます。
 起立性低血圧の最大の原因は、「血液が脚にたまる」ことです。立ち上がったときに血液が脚のほうに流れるのを防ぐ反応が鈍って、血液が脚にたまり、脳に流れる血液の量が減るために起こります。急に立ち上がらないように注意すると、ある程度防ぐことができますが、起立性低血圧がよく起こる人は、「弾性ストッキング(足首を強く圧迫し、太ももに近づくにつれて徐々に圧迫が弱くなっていくストッキング)」を使用するとよいでしょう。
 また、パーキンソン病、多発性神経炎、薬剤の服用などが起立性低血圧の原因になっていることもあります。

■椎骨脳底動脈循環不全や脳卒中などによるめまい

--------------------------------------------------------------------------------

頚椎の周囲を通って、脳幹や視床、内耳など平衡感覚をつかさどる部位に血液を送っている椎骨脳底動脈の血液循環が悪くなると(椎骨脳底動脈循環不全)、めまいが起こることがあります。血液の循環不全は、動脈硬化で血管が狭くなったり、老化のために首の骨が変形して血管が圧迫されたりすることが原因で起こります。
 お年寄りに多い脳梗塞や脳出血でも、大脳皮質の平衡感覚の情報を処理している部分が障害を受けると、めまいが起こってきます。また、暑さによる脱水からくるめまいもあります。脱水状態になると血液の粘り気が増し、血液循環が悪くなるため、めまいが起こりやすくなるのです。年をとると、のどの渇きを感じる感覚が鈍くなり、脱水を起こしやすいので注意しましょう。


329
2014/01/20

「家族がアルツハイマー病になったら」〜始まりのサイン〜

もの忘れは痴ほうのサイン、と思っている人も多いでしょう。しかし、単なる老化でも、もの忘れは起こりますし、もの忘れが起こる前に、痴ほうのサインが現れることもあるのです

■アルツハイマー病とは

--------------------------------------------------------------------------------

 お年寄りに現れる「痴ほう」の原因の約8割を占めるのが、「アルツハイマー病」と「脳血管障害」です。アルツハイマー病は、何らかの理由で脳の神経細胞が次第に減っていき、脳がいしゅくして記憶や感情などに障害が現れる病気です。年をとれば誰でも多少は脳がいしゅくしますが、アルツハイマー病の患者さんでは、いしゅくの程度が強く、進行も早いという特徴があります。
 脳血管障害は、生活習慣を改善すれば、ある程度リスクを減らすことができますが、アルツハイマー病は、現在のところ原因がよくわかっていないため、残念ながら決め手となるような予防の手立てがありません。



■症状と始まりのサイン

--------------------------------------------------------------------------------

「中核症状」は、誰にでも必ず起こる症状です。これに対して、「周辺症状」は、病気の進行に伴って起こってくるもので、患者さんによっては起こらないこともあります。
 しかし、アルツハイマー病の場合、こういった痴ほうの症状が起こる前に、「家事がうまくできない、仕事のミスが増える、元気がなくなる、短気になる、体の不調を訴える」といったサインが現れていることがあります。これらの症状は、老化で起こる症状とよく似ているため、見逃してしまうことも少なくありません。
 数か月から半年くらいの間にこうした症状がいくつか現れ、それがいつまでも回復しない場合には、アルツハイマー病の初期症状である可能性があるので、精神科、神経内科、心療内科などを受診してください。



■検査

--------------------------------------------------------------------------------

 受診すると、まず、家族の人も含めて、いつからどのような症状が現れたのかを尋ねる「問診」が行われ、次に症状を確かめるため、検査が行われます。
 これらのテストでアルツハイマー病が疑われる場合には、日を改めて、「心理テスト」のほか、脳の形の変化や、脳のどの部分がどの程度機能しているかを調べる「画像検査」が行われます。

続きを読む

2014/01/16

家族がアルツハイマー病になったら/薬・リハビリの効果

アルツハイマー病の治療では、脳の働きを高めるリハビリテーションのほか、症状を抑える薬を使っています。最近、進行を抑える薬も使われるようになり、注目を集めています。  


■生活そのものもリハビリテーションに

--------------------------------------------------------------------------------

 アルツハイマー病の治療では、「薬物治療」や「リハビリテーション」などが行われます。しかし、病気の進行には、患者さんの毎日の生活も、大きくかかわっています。特に、アルツハイマー病の初期には、それまで通り仕事や家事を続けているほうが、症状が進みにくくなるので、できるだけ生活のリズムを守ることが大切です。体の病気によって、アルツハイマー病が進行したり、周辺症状が出てきたりすることがあるので、昼夜のリズムを守って十分な睡眠をとり、体調を崩さないように気をつけることも大切です。



■薬による治療

--------------------------------------------------------------------------------

 アルツハイマー病を根本的に治す方法はありませんが、中核症状のなかでも、特に記憶の障害に対しては、症状の進行をある程度遅らせることができる「抗痴ほう薬」が効果をあげています。副作用として、吐き気や食欲不振などの消化器症状が現れることがあります。
 周辺症状に対しては、症状を抑えるため「向精神薬」などが用いられます。向精神薬には、症状の種類や、程度に応じて使い分けられます。副作用としては、ふらつき、便秘などが現れることがあります。
 お年寄りは、薬の作用も副作用も強く出やすいものですが、自己判断で服用量を増やしたり、服用を中止したりしてはいけません。気になる症状がある場合は、必ず医師に相談するようにしてください。



■脳のリハビリテーション

--------------------------------------------------------------------------------

 脳のリハビリテーションとは、脳に適度な刺激を与えることで、それ以上の機能低下を防いだり、機能が残っているほかの部分を代わりに使ったりするために行う訓練です。医療機関などでは、さまざまなリハビリテーションが行われていますが、そのなかでも、「文字を書く」ことが、最も脳を広範囲に刺激するので、効果的だといえます。アルツハイマー病の初期の患者さんには、「新聞のコラムを写すリハビリテーション」が勧められます。



211
2014/01/16

家族がアルツハイマー病になったら/対応に困ったら

アルツハイマー病では、進行するとさまざまな随伴症状が現れてきます。よく見られる3つのケースをもとに、対応のポイントを紹介します。


■介護の基本姿勢

--------------------------------------------------------------------------------

 アルツハイマー病の介護は、多くの場合、長期間に及びます。最初から全力で頑張るのではなく、長続きするペースをみつけ、そのペースを守ることが大切です。また、1人で介護に当たるのではなく、家族など周囲の協力を得ながら進めていくようにするとよいでしょう。
 アルツハイマー病では、介護する人のイライラした気持が患者さんに伝わると、症状がますます悪化するという悪循環に陥ってしまうので、ゆとりをもって介護に当たることが大切です。また、介護をするときは、スキンシップを大切にし、患者さんが「〜してもらった」という満足感をもてるようにすることがポイントです。症状によっては薬も効果があります。



■対応のポイント

--------------------------------------------------------------------------------

・日常動作を嫌がる場合
 アルツハイマー病の初期には、失敗するのを恐れたり、恥ずかしいという気持から、「おふろに入らない」など、日常の動作を嫌がる場合がよくあります。このような場合、無理強いするのではなく、まず、患者さん本人の気持を尊重し、嫌がる理由を考えてみたり、根気よく聞き出してみましょう。そうしたうえで、「心配だからおふろに入ってほしい」と、感情に訴えてみるのも1つの方法です。

・ものを盗まれたと訴える場合
 アルツハイマー病の初期〜中期には、「お財布を盗まれた」といった「もの盗られ妄想」が現れることがあります。犯人にされた人がいくら説明しても、本人は盗まれたと信じ込んでいるので、状況が好転することはありません。そこで、家族のなかで信用されている人に話をしてもらうようにします。

・徘徊が始まった場合
 「徘徊」は、ある程度病気が進行したときに現れることがあり、多くの場合、「家に帰る」と言って家を出ていきます。徘徊が始まると、道に迷って家に帰れなくなることがあるので、名前や連絡先を記した布を衣服に縫いつけておくようにしましょう。また、徘徊が起きたからといって、介護する人が、自分を責め過ぎないことも大切です。



212|
2014/01/12

高齢者の水頭症

■こんな症状が現れたら

--------------------------------------------------------------------------------

 「高齢者の水頭症(特発性正常圧水頭症)」は、まだ広く知られていない病気ですが、痴ほう外来などに来る患者さんの約2〜5%を占めるといわれています。脳にある水「脳せき髄液(髄液)」の循環障害が主な原因だと考えられています。
 主な症状は「歩行障害、軽い痴ほう、尿失禁」で、これらが単独、あるいは組み合わさって現れます。水頭症の疑いのある症状が見られる場合には、脳神経外科や神経内科の受診をお勧めします。



■治療法は?

--------------------------------------------------------------------------------

 診断では、まず症状の確認や、CTやMRIによる画像検査が行われます。これらの検査の結果、水頭症の疑いが強い場合には、髄液を採取する検査が行われます。この検査直後から3〜4日後までに、歩行障害の改善があれば、水頭症と診断されます。
 治療では、主に手術が行われます。手術は、脳にたまった髄液をおなかに流すために、体内に細い管を埋め込む「脳室—腹腔シャント術」が、多く行われています。手術ができない場合は、診断のときと同様に、髄液を繰り返し採取して、症状を和らげる治療が行われます。



■日常生活のケア

--------------------------------------------------------------------------------

 手術後、髄液が脳からおなかに流れ過ぎると、「手足のまひや意識の低下」が起こる危険があります。いつもと様子が違うなどの変化がないかどうか、周りの人が注意して見守るようにしましょう。また、細菌感染による「髄膜炎」などの感染症や、お年寄りに多い肺炎などにも注意が必要です。


225
2014/01/10

家族がアルツハイマー病になったら/介護をするあなたに

青梅慶友病院副院長
斎藤 正彦 在宅介護では、介護する人自身のゆとりが、よりよい介護につながるものです。周囲の人の理解と協力を得て、無理なく取り組むことが大切です。


■在宅介護の進め方

--------------------------------------------------------------------------------

 アルツハイマー病になって、最も心が傷ついているのは、患者さん本人なので、まず、患者さんの心の混乱を鎮め、いたわりの気持を持つことが大切です。
 介護は、患者さんが今までしていたことができなくなったときに、さりげなく手伝うことから始まります。そして病気が進行し、さまざまな症状が現れたら、それに応じて身辺の介助や、問題行動への対処など必要な介護を加えていきます。家庭で介護をする場合は、次の3点を心にとめておきましょう。



■病気への理解を深める

--------------------------------------------------------------------------------

 アルツハイマー病は、病状が徐々に進行していく病気で、回復することは望めません。その現実を受け入れることが介護の出発点となります。
 アルツハイマー病の患者さんの言動は、時に不可解で、対応に困ることが少なくありませんが、病気に対する正しい知識を持って、適切に対応することが求められます。介護する人は、医師に患者さんの病状をよく聞いたうえで、患者さんの性格や、家族の歴史などに配慮し、「今、患者さんはどう感じているのか」を考えれば、対応の糸口は見つかるでしょう。



■自分が気持のよい介護を

--------------------------------------------------------------------------------

 介護する人が、自分の生活を犠牲にし、我慢を重ねながら介護していては、心の余裕がなくなり、患者さんに辛く当たってしまいがちです。また、「自分の親だから」といった義務感で、「在宅介護でなければならない」と思い込むのもよくありません。
 介護する人は「自分が気持のよい介護」を目指してほしいと思います。心に余裕をもって接することができれば、患者さんの不安を和らげるのにも役立ちます。そのためには、在宅介護を支援する制度を活用し、自分の時間をもつことが大切です。



■周囲を巻き込む

--------------------------------------------------------------------------------

 介護をスムーズに進めるには、家族や親戚など、周囲の人たちの理解を得ておくことが必要です。医師の話を聞くときなどに、家族や親戚の人もいっしょに立ち会ってもらうと、患者さんの状態を正確に把握してもらえ、理解も得やすくなります。
 また、介護を分担してもらったり、介護用品の買い物などで協力してもらうことも、病気を理解してもらううえで役立ちます。


213
2014/01/09

老人性痴ほう症と向き合う なぜ大切?早期診断

■「治る痴ほう」を発見できる

 痴ほうのなかには、「治る痴ほう」もあります。「うつ病」や「内分泌疾患」などの病気や、「高血圧などの薬の過剰使用」が原因で、痴ほうのような症状が出ている場合です。このような場合、原因となっている病気の治療や、薬の量の調節で、症状が治まることがあります。
 実際に、痴ほうを心配して受診する人の約20%は、「治る痴ほう」です。ただし、「治る痴ほう」もほうっておくと悪化して、治療ができなくなることもあります。そのため、症状に気づいたらできるだけ早く専門医を受診し、診断を受けることが大切なのです。



■薬などで進行を遅らせることができる

 「アルツハイマー型痴ほう」は残念ながら、今のところ進行を止める方法はありません。しかし早期であれば、薬やリハビリテーションで、進行を遅らせることのできる可能性が大きくなります。治療に使用される薬は内服薬の「塩酸ドネペジル」です。服用後約38週間は、いく分か症状が改善されますが、その後痴ほうは進行していきます。しかし、薬を服用しない場合に比べると、薬を服用した分だけ、痴ほうの進行が遅れることになります。この薬は脳の働きを活性化させるものですが、失われた脳の機能を回復する薬ではありません。そのため、あまり痴ほうの進行していない早期から使ったほうが、効果があります。
 一方、痴ほうのリハビリテーションは、脳の機能の回復だけを目的にしたものではありません。症状があっても、安全に生活する方法を、患者さんと家族で見つけることも重要な目的です。安全に生活できることで病気への不安が軽減すると、痴ほうの進行が、遅くなったりすることもあります。



■自分で将来の準備ができる

 「アルツハイマー型痴ほう」は、進行すると判断能力が低くなっていきます。判断能力が高い早期に診断を受けておけば、今後の治療方針などを、患者さん自身が家族と話し合っておくことができます。例えば「終末期に延命治療を受けるかどうか」などについて、自分の意思を伝えておくことも可能です。
 また、症状が進行すると、自分の財産の管理も難しくなります。そこで、判断能力が低くなってからも、自分の財産を守るための制度として、「成年後見制度」などがあります。これは、判断能力の高いうちであれば、「将来、財産をだれに維持、管理してもらうか」を自分で決めることができます。


413
2014/01/09

老人性痴ほう症と向き合う リハビリテーションの効果

■リハビリテーションの目的

 「アルツハイマー型痴ほう」は、リハビリテーションを行っても、進行を止めることはできません。そこで痴ほうのリハビリテーションでは、残された能力を使い、できるだけ安全に自立した生活を送れるようにすることが目的になります。そのためには、家族や周りの人によるサポートが必要な場合もあります。
 自立した生活を送ることができると、患者さんの病気に対する不安や混乱が和らぎ、気持ちが安定します。その結果、症状の進行を遅らせたり、「徘徊(はいかい)」などの問題行動を防ぐことにもつながります。リハビリテーションでは「記憶のサポート」と「心のサポート」が行われます。
拡大
痴ほう症のリハビリテーション

■「記憶のサポート」

 「アルツハイマー型痴ほう」では失われた記憶や記憶力は戻りません。「記憶のサポート」では、記憶障害の状態に合わせて道具や環境を工夫し、残された記憶力で安全に自立して生活できるようにします。例えば、患者さんはメモをとったこと自体を忘れてしまうため、電話の取り次ぎが難しくなります。そこで選択式や空欄を埋める形式のメモをつくり、電話の横に準備しておきます。すると、あとでだれが見てもわかるメモをとることができ、患者さんにも電話の取り次ぎができます。サポートの内容は症状に合わせて考えなければなりません。必ず、担当医や心理療法士などの専門家と相談しながら行いましょう。
拡大


■「心のサポート」

 病気に対する不安などから気持が混乱し、それが「抑うつ、妄想」などの症状として現れることがあります。患者さんの不安を和らげ、これらの症状を緩和するのが、「心のサポート」です。通常、精神科医や心理療法士などの専門家が同席して、医療機関などで行われます。
 患者さんは新しいことは覚えられませんが、古い記憶は残っています。そこで、昔使っていた物や習慣などをきっかけに古い記憶を呼び起こし、患者さん同士で会話をするのが「回想法」です。同じ症状の患者さん同士で、共通の話題で会話することは、不安の軽減などにつながります。





414
2014/01/08

新常識 お年寄りの心と体/若いときとは違う薬の効き目


年をとると、薬をのむことが多くなります。薬に関する正しい知識を身につけ、薬と上手につきあう方法を見つけてください。また、医師や薬剤師とコミュニケーションをよくとり、薬に関する疑問や不安を解決しましょう。

■お年寄りと薬

--------------------------------------------------------------------------------

年をとると、体にさまざまな変化が起こるため、薬を服用する場合に若いときとは違う作用やトラブルが起こることがあります。例えば、年齢とともに、薬を代謝(分解・解毒)する肝臓や排泄を行う腎臓の機能が低下して、薬が効き過ぎる場合があります。複数の薬をのむ場合は、悪いのみ合わせによる副作用(薬物の相互作用)が起こる可能性もあります。また、目が見えにくくなって薬を間違えたり、耳が聞こえにくいために医師や薬剤師の説明を聞き間違えたりするトラブルや、薬を上手に袋や包装シートから取り出せない、カプセル剤や粉薬を上手にのみ込めないといったトラブルもあります。多種類の薬をのんでいる場合は、のみ忘れやのみ間違いなども起こりやすくなります。


 
■薬のトラブル防止法

--------------------------------------------------------------------------------

薬をのんでいて少しでも気になることがあったら、早めに医師や薬剤師に相談してください。自分勝手に服用するのを止めてしまうのはよくありません。薬の種類、量、のみ方などを変えることによって、ほとんどのトラブルを解決することができます。また、のみ方をちょっと工夫したり、補助具などを利用することによって、薬とより上手につきあうことができます。
 患者さん自身が薬について正しい知識をもち、自分で薬を管理する心構えも大切です。今のんでいる薬の「薬の種類、名前、作用」「のむ量とのみ方」「服用時の注意」「のみ忘れたときの対処法」「起こる可能性のある副作用」については自分で知っておくようにし、薬を処方されたら、必ずこれらのことを、「お薬手帳」などにメモしておきます。

■薬についての疑問や不安

--------------------------------------------------------------------------------

薬の副作用やのみあわせの問題、また、薬の数が多いことなどへの疑問や不安を抱いている患者さんは案外多いようです。確かにお年寄りの場合には、内臓の機能低下によって薬が効き過ぎることがあり、そのために副作用が起こりやすいということはいえるでしょうが、副作用が怖いからといって、必要な薬を自己判断でのまなかったり、量を減らすことは避けてください。なかでも睡眠薬については、「のまないほうがよいのでは」という先入観が強く、実際に、患者さんの自己判断で、薬の服用をやめてしまうケースも少なくありません。しかし、睡眠薬をやめるには一定の手順が必要なので、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。
 疑問や不安は、処方した医師や薬剤師に、遠慮なくたずねてください。また、「何の薬だかわからなくなった」「のみ方がわからなくなった」などの場合も、薬剤師に遠慮なくたずねてください。特に、薬の服用と食事との関係は、注意が必要なものがありますから、わからなくなった場合は、必ず確認するようにしてください。


自分なりの方法で工夫し、薬と上手につきあおう。
■薬局を上手に利用しよう

--------------------------------------------------------------------------------

お年寄りは、複数の医療機関にかかったり、多種類の薬をのむことが多いので、1か所の「かかりつけ薬局」で、調剤してもらうようにするとよいでしょう。かかりつけ薬局で、薬の重複や悪いのみ合わせなどをチェックしてもらえば、安心です。自宅の近くなど、通いやすく、便利な場所、サービスのよいところを選ぶとよいでしょう。


927
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。