2014/03/19

気づきにくい甲状腺(せん)の病気  バセドウ病、薬の効果は?

脳や心臓、胃腸などの働きを活性化させたり、新陳代謝の促進、体温の調整などを行う甲状腺ホルモンは、体にとって欠かせないホルモンです。バセドウ病は、この甲状腺ホルモンが増え過ぎるため新陳代謝が盛んになり、エネルギー消費が増え、「どうきがする、汗をかく、イライラする、体重が減少する」などの症状が現れます。




question
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4か月ほど前からバセドウ病の薬を1日6錠のんでいるのですが、じんましんが出てくるようになりました。薬によってホルモンの値は少し下がったものの、それ以上は下がりません。このままのみ続けていいのでしょうか。



answer
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バセドウ病の投薬治療には年単位の時間がかかります。医師と相談し、じんましんを抑える薬を併用しながら続けていってください。どうしても薬物治療を続けられない場合には、アイソトープ療法や手術療法などもあります。



■バセドウ病の薬物療法

 バセドウ病の治療には、甲状腺ホルモンの合成を抑える「抗甲状腺薬」を使います。1日6錠の服用から初め、ホルモン量が少なくなってきたら少しずつ薬の量も減らし、その後、1日1〜2錠の服用を最低でも1年は続けるというのが一般的な服用方法です。
 抗甲状腺薬の副作用には、薬しん、肝機能障害、白血球減少などがあります。薬しんは、それを抑える薬を併用しながら、抗甲状腺薬による治療を続けていくことが可能ですが、肝機能障害や白血球減少などの副作用が出てきた場合には、抗甲状腺薬による治療はすぐに中止しなければなりません。




■アイソトープ療法と手術

 副作用のために薬物療法を続けられない場合には、アイソトープ療法(放射線治療)や手術を行います。
 甲状腺はヨードを使ってホルモンを合成するため、体内のヨードの多くは甲状腺に集まります。アイソトープ療法とは、放射線を発生するヨードのカプセルをのむことにより、甲状腺に集まったそれらのヨードから放射線を発し、甲状腺の細胞を破壊するという治療法です。通常は外来でできますが、妊娠や授乳中の人はこの治療法を受けることができません。
 甲状腺を切除して、甲状腺ホルモンの合成を減らす手術療法もあります。甲状腺全体を取ってしまうこともありますが、甲状腺の裏にある「副甲状腺」という、カルシウムの代謝に関係のある内分泌腺と、その部分に近い甲状腺組織を少し残して切除するという方法もあります。 手術により甲状腺を切除すると、今度はホルモンの量が逆に少なくなり、甲状腺機能低下症になることがあります。この場合は甲状腺ホルモン薬の服用を行います。


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2014/03/15

放っておけない肺の病気/季節の変わり目に多い気管支ぜんそく

■気管支ぜんそく

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「気管支ぜんそく」は、気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。ぜんそく発作は、かぜなどの感染症にかかりやすい、季節の変わり目に起こることが多くなっています。というのも、ぜんそく発作は、かぜや肺炎などの感染症に伴って起こることが多いからです。
 気管支ぜんそくの患者さんは、30年間で約3倍に増えています。現在、成人に限ると、300万人もの患者さんがいると推定され、毎年5000〜6000人がぜんそく発作で亡くなっています。ぜんそく死は、特にお年寄りに多く見られ、かぜのようだと思っているうちに、夜中に突然発作が起きて死亡するというケースがよくあります。発作が起きやすい季節の変わり目には、特に病状の悪化に注意する必要があるといえます。



■気管支ぜんそくが起こるメカニズム

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気管支ぜんそくの患者さんの気管支には、慢性的な炎症が見られます。この炎症によって、気管支が非常に過敏になっており、ちょっとした刺激が加わっただけで、過敏に反応したり、発作的に気管支が収縮しやすい状態になっているのです。気管支に炎症が起こっていたり、収縮が起こったりすると、気管支の内腔が狭くなりますが、発作が起きているときは、気管支の粘膜から粘液が大量に分泌されるため、内腔はさらに狭くなり、息苦しくなります。
 気管支の炎症や収縮は、アレルギーが原因だと考えられます。アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)としては、「ダニ、花粉、カビ、ゴキブリのふん、ほこり、ペットの毛」などがあります。また、アスピリンなど酸性解熱薬という分類に入る薬はすべて、気管支ぜんそくの原因になります。ぜんそく症状で受診するときは、常用している薬を必ず医師に伝えるようにしましょう。




■診断と治療

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医師は、まず問診などで「ぜんそく発作の頻度」や「ほかの病気の有無」を確かめた後、「ピークフローメーター」という測定器で、吐く息の最大量を測定し、症状の重さを調べます。吐く息の量が少なければ少ないほど、症状が重いことになります。
 治療では、ステロイド薬を吸入し、慢性的に生じている気管支の炎症を抑えることが基本になります。発作が起きたときには、β2刺激薬などの「気管支拡張薬」や、「抗アレルギー薬」を用います。重症の場合は、気管支を広げる効果の強い「徐放性テオフィリン」という薬を服用することもあります。
 薬は、症状がないからといって勝手にやめたり、効かないからといって決められた以上に使うと、病気が悪化したり、副作用が現れたりすることがあります。必ず医師の指示どおりに用いるようにしましょう。
 また、できるだけ発作を起こさないよう、日常生活で注意していくことも大切です。まず、原因となるアレルゲンをできるだけ身の回りから取り除く努力をしましょう。さらに、定期的にピークフローメーターで吐く力を測定し、常に自分の呼吸の状態を把握しておきましょう。そして、医師と常に連携を保ちながら、しっかりと自己管理を行い、病気を上手にコントロールしていくことが大切です。


2014/03/09

大人のぜんそく/慢性ぜんそく

3年前からぜんそくだが、完全に治るか? 時々喫煙しているが、日常生活の注意点について知りたい。


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3年間ぜんそくが続いているわけですから、ある程度は症状が慢性化しているという感じがします。
そこで、慢性ぜんそくの分類について説明しますので、図1をご覧ください。成人気管支ぜんそく、慢性ぜんそくは、患者さんの症状によって、軽症、中等症が二つ、そして重症に分類されます。
軽症の患者さんであれば、週に1回から2回まで間欠咳で短いという発作が起こります。
中等症の軽いほうは、週2回以上の発作があり、時々日常生活や睡眠が妨げられます。
中等症の重いほうのステップ3になりますと、ほぼ慢性的に症状があり、発作をおさえるためのβ2刺激薬吸入がほとんど毎日必要な状態になります。さらに重症になってきますと、精一杯の治療をしても時々症状が悪化をするということになります。
薬の使い方を重いほうから軽いほうへ持っていくことを、ステップダウンと言いますが、ぜんそくの症状がうまくコントロールされますと、軽い段階の治療へと移っていきます。そして症状がまったくなくなり、薬をなくすこともできることになります。



この方は、たばこを吸っていらっしゃるということですが、一つ気をつけなければならないのが、肺気腫(はいきしゅ)、あるいは慢性気管支炎という慢性閉そく性肺疾患の合併です。
相談者は、間質性肺炎になるのではと心配されているようですが、間質性肺炎とぜんそくとはまったく別なものですから、ぜんそくがあったからといって間質性肺炎になるとは限りません。
ただし肺気腫がひどくなってきますと、酸素を吸わなければならない状態になるかもしれません。
たばこを吸い続けていますと、息切れを訴える肺気腫という病気になりやすいのです。そして、肺気腫にぜんそくが合併すると、症状のコントロールが難しくなります。したがって、ぜんそくの原因となるものや悪化させるものを、できるだけ減らしていく必要があるのです。この方の場合には、多分たばこだと思いますので、たばこをまったくやめていただくのがいちばんでしょう。
いちばん大切なことは、ぜんそく発作の原因をできるだけ取り除くことです。図3は、神奈川県で大人のぜんそくの患者さん6千例を調べた結果です。約7割の人はかぜなどの感染症状によってぜんそくが悪くなっています。半数弱の人がほこり、その次が天候、疲労、精神的なストレス、そしてたばことなっています。また女性の場合には、生理の前にぜんそくが悪くなりやすい人がいらっしゃいます。
相談者の場合は、たばこをやめていただくか減らしていただいて、かぜをひかないように気をつけていただくことが必要でしょう。
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