2013/10/10

生活習慣病のもとは脂肪細胞にあり

■脂肪細胞は内分泌臓器

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脂肪細胞は、過剰なエネルギーを中性脂肪に変えて蓄え、必要なときに再びエネルギーに分解する、いわばエネルギーの備蓄倉庫のような役割をもっているのですが、それ以外にもさまざまな役割をもっていることが、最近になって分かってきました。
 1994年に「レプチン」というホルモンが脂肪細胞から分泌されていることが発見され、脂肪細胞が「内分泌臓器」の働きをもっていることが明らかになりました。内分泌臓器とは、臓器の機能をコントロールするために、生理活性物質(ホルモンなど)を分泌する臓器のことです。レプチンは、食べ過ぎて脂肪細胞に中性脂肪がたまると分泌され、それを感知した脳の視床下部が食欲中枢に働きかけて、食欲を抑えたり、エネルギーの消費量を増やすようにし、肥満を防ぎます。レプチンは、本来、私たちの体にプラスに働く物質ですが、食べ過ぎや運動不足によって、脂肪細胞に過剰に中性脂肪がたまると、レプチンの分泌量が減ったり、レプチンの効果が低くなり、肥満します。
 脂肪細胞から分泌される物質には、レプチン以外にも次のようなものがあります。
▼TNF‐α……血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞に取り込ませるインスリンの働きを阻害することがわかっています。したがって、TNF—αの分泌が増えると、血中のブドウ糖が増加し、糖尿病の要因になります。
▼アディポネクチン……動脈硬化を防ぐ働きがありますが、脂肪細胞が大きくなるとアディポネクチンの分泌量が減り、動脈硬化が起こりやすくなります。
▼アンジオテンシノーゲン……血圧を上げる物質で、高血圧を招く可能性があります。
▼PAI—1……血液を固まりやすくし、出血を止める物質です。分泌量が増えると、「血栓(血液の塊)」ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を起こす原因となります。
▼遊離脂肪酸……脂肪細胞内の中性脂肪が分解されるときに生まれる物質です。いわゆる「悪玉コレステロール」のもととなって、高脂血症を促進します。
 このように、脂肪細胞が増えたり、大きくなると、「肥満」や、「高血圧、糖尿病、高脂血症」といった生活習慣病を引き起こしやすくなります。これら4つの病態は、相互に影響し合って動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中の原因となります。 図1 レプチンの分泌と肥満の関係
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図1 レプチンの分泌と肥満の関係
食べ過ぎると脂肪細胞からレプチンが分泌される。それが脳の視床下部に伝わり、食欲を抑制したり、エネルギーの消費量を増加させる。 

■問題は内臓脂肪

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皮膚のすぐ下につく「皮下脂肪」に対して、腸管や肝臓など、腹部の内臓の周囲につく脂肪を「内臓脂肪」といいます。皮下脂肪に比べ、内臓脂肪の脂肪細胞のほうが増加、巨大化しやすいため、内臓脂肪が多い「内臓脂肪型肥満」のほうが、生活習慣病を引き起こしやすいといえます。
 内臓脂肪は、本来は必要なものですが、蓄えられた脂肪の量がある一定の基準を超えると、悪影響を及ぼします。脂肪の量を正確に調べるには、CT(コンピュータ断層撮影)で腹部の断層を撮影する必要がありますが、簡単に調べるにはウエストの太さを測ります。「ウエスト回りが男性で85cm以上、女性で90cm以上の人」は、内臓脂肪がたくさんついている可能性があるので要注意です。さらに、ウエストの肉をつまんで、つまむことのできた肉の厚さが2cm以下の場合は、内臓脂肪型肥満である可能性が高くなります。
 内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて、減らしやすいという特徴があるので、食事内容や運動などこれまでの生活を見直して、生活習慣病のもとにもなる内臓脂肪を減らしていきましょう。
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