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2017/11/28

悔し涙は苦い?


人が涙を流すのは悲しいときばかりではない。嬉しいとき、怒ったとき、悔しいとき、たまねぎを切ったとき、煙が目にしみたときなど、さまざまな場面で人は涙を流す。
上まぶたの裏側にある涙腺からは絶えず涙が分泌されている。涙に含まれる脂質が涙の蒸発を抑え、目の潤いを保っている。涙が角膜表面をおおうことにより、「角膜の光学的な機能を維持する」「異物を洗い流す」「角膜に栄養素や酸素を供給する」「抗菌作用をもたらす」などの役割をはたしている。通常、一日に分泌される涙の量は一一~三ミリリットル。年をとると分泌される涙の量は少なくなる。なお、涙腺から涙が分泌されるようになるのは生まれてから数日後なので、生まれたばかりの赤ちゃんは、泣き声を上げても涙は出さない。


涙の九八%は水分で、残りの二%がナトリウム、カリウムなどの塩類、そして、アブミン、リゾチーム、グロブリンなどのたんぱく質、脂質などだ。
塩化ナトリウムなどの塩類が入っているせいで、涙は少ししょっぱいのだが、じつはいつも同じ味ではないのだという。
たまねぎを切ったとき、煙が目にしみたときに涙が出るのは、目に侵入してきた異物を排除しようとする涙腺の反応である。それ以外は、感情の高ぶりから起こる涙だが、これには自律神経がかかわっている。

自律神経が興奮すると、涙腺が刺激されて涙が出ることになる。自律神経には交感神経と副交感神経との二種類があり、この二つの神経は相反する働きをもっている。
交感神経は、身体を活発に活動させるように働く。たとえば「心臓の拍動を速め、血管を収縮して血圧を上昇させる」「胃腸の活動を抑制する」など。これに対し、副交感神経は、身体をリラックスざせエネルギーを蓄えるように働く。たとえば「心臓の拍動を遅くし、血管を拡張して血圧を下げる」「胃腸の活動を促進する」などだ。

交感神経と副交感神経という二つの自律神経がバランスよく働くことによって、身体は正常に機能し、健康が保たれている。嬉しいとき、怒ったとき、悔しいときなどは、交感神経が興奮し、悲しいときや芸術作品に感動したときなどには副交感神経が興奮する。
交感神経の興奮による涙は、量が少なく、塩化ナトリウムがやや多いため塩辛い。一方、副交感神経の興奮による涙は、量が多く、粘液成分や油脂成分が少なく、味は薄い。
悔し涙は本当に「苦い涙」でもあるわけだ。
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