2018/03/08

四十肩、五十肩

あなたの身近にいる中高齢者がもし「肩が痛い」「腕が上がらない」とぼやいていても、
「動かさないから鈍っているんだよ」「運動すれば治るわよ」などと気安くアドバイスしてはいけない。それは四十肩もしくは五十肩かもしれないからだ。
呼び名は二つあるけれど、どちらも「一眉関節周囲炎」という症状。四十肩より五十肩のほうが症状が重いなどということはない・二とおりの呼び方が生まれた理由には諸説ある。
四○代の患者に「五十肩です」とはいいづらいので「四十肩です」といったとか、昔は四十肩といったのが平均寿命が延びて五十肩になったとか。

肩関節周囲炎とは、文字どおり肩関節とその周囲の炎症が原因で起こる症状。加齢とともに肩周辺の筋肉が衰えて、それまでなめらかに動いていた部分に摩擦が生じるようになり、痛みや運動制限を引き起こすのだ。
肩関節とは、上腕骨と肩甲骨のつなぎ目のこと。三六○度フレキシブルな動きをサポートするだけあって複雑なしくみであると同時に噛み合わせが弱い。脱臼しやすいのもそのためだ、という。これを補強するのが周囲の筋肉で、筋肉と骨、とを健板、という繊維状の組織が連結している。さらにその周囲には、動きをなめらかにする役割をJい)つ滑液包がある。
これらの連携が徐々に狂い始めると摩擦が生じ、健板や滑液包の炎症が起き、やがては関節の癒着や損傷につながる。
「肩こりとたいして違わないんじゃないの?」、と他人は思ってしまいがちだけれど、肩こりは首から肩にかけての筋肉の一時的な緊張・疲労だから、メカニズムがまったく違う。

また、リウマチ、肩峰下滑液包炎、健板断裂、石灰化健炎など、ほかの原因で肩の痛みが生じることもある。実際、四十肩・五十肩を疑って来院する患者の多くが、別の病気だといわれている。

さて一眉関節周囲炎の経過には、大きく二つのステップがある。痛み始めから数か月は急性期(炎症期)。いわゆる癌痛が激しく、痛みで夜眠れないという患者も少なくない。この時期には、無理に動かしてはいけないという。安静にして、消炎鎮痛剤や湿布などを使って、痛みを軽減させる。この期間を乗り越えると慢性期(拘縮期)に入る。なにをしなくても痛いということはなくなるが、動かす角度によって痛みを感じる状態。肩を温めながら運動を積極的におこない、少しずつ動かせる範囲を増やしていく。患者は先が見えずに不安になりがちだが、半年~二年程度かかってしだいに痛みは治まっていくという。
スポンサーサイト