2013/12/13

肝臓の意外な敵?

●肝臓を痛めつける要因

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 肝臓に負担をかける要因として、アルコールや肝炎を起こすウイルスなどがあることはご存知の方も多いと思いますが、この他にも、便秘、期限切れのスナック菓子、睡眠不足、薬なども肝臓に負担をかけてしまいます。便秘になると、腸にガスがたまり、そこに含まれる有毒なアンモニアが、腸の壁から吸収されて肝臓へ運ばれてきます。肝臓はアンモニアの解毒をしなければならず仕事が増えてしまいます。期限切れのスナック菓子は、中に含まれている油が古くなって酸化しています。酸化された油は、肝細胞の壁を傷つけます。睡眠不足になると、私達の活動時間が長くなり、肝臓はエネルギーを作るために働きます。睡眠時間が少ないと、肝臓は休みなく働かなければならず疲れてしまいます。それから、意外かもしれませんが、体を元気にするために使う“薬”も、実は、肝臓に負担をかける原因になっています。



●薬は肝臓の敵?

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 肝臓の中には、肝小葉(かんしょうよう)と呼ばれる組織がつまっています。肝臓が持つ“加工”、“貯蔵”、“解毒”、“排泄”の4つの働きは、この肝小葉で行われています。外側と真ん中に太い血管が通っていますが、外側の血管からは胃や腸で吸収された栄養や様々な物質を含んだ血液が流れ込んできます。血液はぎっしり並んだ肝細胞の間の通路を通り、内側の血管に向かって移動していきますが、その途中で肝細胞の中に染み込み、血液中に含まれていた栄養はそこで加工され、毒物は分解されます。そして栄養は血液とともに再び肝細胞から染み出して、内側の血管に流れ込んで全身へと運ばれます。
 また、分解された毒物は別の管へ回されて排泄されます。体に入ってきた“薬”も、肝臓では“毒”とみなされて分解されて排泄されてしまうのです。
 ではどうして薬は効くのか、ということになりますが、これは、肝臓で分解しきれない量を飲んでいるからです。1日に3錠の薬を飲んで下さいと言われたとします。すると、3錠のうち、例えば2錠が肝臓で分解され効果を失います。でも、残り1錠は分解しきれずに身体にあふれ出て、このあふれた分が効果を発揮するのです。ですから、薬を飲むと肝臓はせっせと解毒の仕事をしなければならず、負担が増えます。
 また、薬が原因でアレルギーが起こると肝臓は激しく傷つきます。肝臓に入ってきた薬が体に合わないと、薬を分解・排出する過程でアレルギー反応が起きることがあるのです。本来体を守る役割を果たしている免疫細胞が、薬を異物と判断して肝細胞ごと破壊してしまうのです。薬をやめない限り破壊は止まりません。中には劇症肝炎という状態になり、死に至る場合もあります。
 薬でアレルギーが起きているかどうかを自分で知ることはなかなか難しく、薬を飲んで1〜2週間経ってから体がかゆくなったり、皮膚に発疹が出たり、尿が濃い番茶のような色になって初めて気付くことがほとんどです。



●サプリメントは必要な分だけ

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 薬よりも身近なサプリメントも、薬と同じ成分が含まれています。薬剤とは違い、“健康食品”として作られているので、気軽に利用できますが、中には効能の表示がなかったり、アレルギーなどのテストが不十分なものもあります。
 また、肝臓に負担をかけないためには、とり方や分量にも薬と同様の配慮が必要です。栄養は食事からとった方が吸収がよく、安心です。サプリメントが本当に必要かどうかを見極め、上手く使っていただきたいと思います。



 漢方薬でもアレルギー反応が起こって、肝臓や他の臓器に障害を起こすことがあります。漢方薬もあなどらないで、十分に気を付けてとって頂きたいと思います。また、特に気を付けた方がよい薬は、抗生物質や、風邪薬に含まれる鎮痛解熱剤などです。薬を飲んでもなかなか効果が出ないからといって、すぐ飲んだりすると、肝臓に負担をかけてしまいます。
肝臓に効果のあるサプリメント


2013/12/12

お酒と上手につき合う方法

●肝臓の働きはアルコールの分解だけではない

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 肝臓というと、アルコールを分解してくれる臓器というイメージが強いと思いますが、その他にも様々な働きを持っています。
 まず1つめの大きな働きは、“栄養の加工”です。私たちが食べた物に含まれる栄養は、胃や腸で消化吸収されて肝臓に送られてきますが、この時点では体の役に立つ栄養ではありません。これらの栄養が肝臓で作り替えられて初めて私たちの体に役立つ栄養になります。そして2つめの働きは、“栄養の貯蔵”です。肝臓で加工された栄養は血液に乗って全身に運ばれていきますが、この栄養が余っている時は肝臓に貯蔵されて、必要になったら血液へ送り出されます。3つめの働きは“排泄”です。体の中でいらなくなった老廃物、血液のゴミなどが肝臓に集められ、胆汁などに作り変えられて腸へ流されます。4つめは“解毒”です。有害なものが肝臓に入ってきたときに、それらを分解し、無害なものに変えます。アルコールが分解されるのも、この解毒作用によるものです。つまり、アルコールは肝臓にとっては“毒”ということになります。



●お酒を飲み過ぎると脂肪肝や肝硬変に

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 アルコールは肝臓で分解される過程で、“アセトアルデヒド”という物質に変わります。アセトアルデヒドはアルコールに比べて毒性が強く、アルコールをたくさん飲むと、分解しきれずに体に広がって悪影響を及ぼします。アセトアルデヒドは、肝臓の細胞を破壊するだけではなく、例えば脳に行った場合は頭痛や吐き気を引き起こし、悪酔いの原因になります。
 肝臓は再生力が強いので、アルコールの量が少なければ、肝細胞が破壊されても再び元に戻りますが、続けて大量に飲むと元に戻りにくくなります。この肝臓は“脂肪肝”と呼ばれている状態で、脂肪肝は肝臓の機能を低下させます。脂肪肝というと、脂分が多い食べ物の食べ過ぎが原因で起こるイメージが強いと思いますが、アルコールでも起こります。どちらも、摂取をやめれば肝臓は元に戻りますが、アルコールの場合は、長期間、大量に飲み続けると、肝硬変になってしまいます。ここまで変化すると手遅れで、アルコールをやめても肝臓は元に戻りません。

アルコール性肝臓障害について


●お酒の上手な飲み方

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 肝臓のことを考えた場合、飲んでいい量の上限は日本酒ならば1日2合まで、ビールは大ビン2本、ウイスキーはダブル2杯、焼酎のお湯割りならば2杯分、ワインはグラス4杯分が上限の目安です。日本酒1合のアルコールが分解されるのに必要な時間は、日本人の成人の場合、4時間ほどと言われています。つまり、夜の7時から3合飲んだとすると、全てのアルコールが分解されるのは、翌朝の7時ということになります。肝臓はアルコールの分解だけを行っている臓器ではありません。1日の半分をアルコールの分解に費やしていると、肝臓が疲れてしまいます。2合であれば、寝ている間になんとか分解されるので、次の日には肝臓はきちんと働くことができます。但し、お酒が弱い人、肝臓が悪い人は2合よりも少なめにした方が良いでしょう。また、女性は男性に比べるとアルコールの分解する力が弱いので注意しましょう。
 更に、週に2日の休肝日をとることが大切です。アルコールの障害を受けた肝臓が元に戻るには、連続2日は休肝日が必要なのです。
 また、お酒を飲むとき、少しでも肝臓をいたわるために、おつまみにも気を使うと良いでしょう。おすすめは、魚の刺身、レバー、枝豆、生ガキなどです。魚は良質なたんぱく質を含んでいるので、障害を受けた肝臓の修復に役立ちます。特に、青い背の魚はおすすめで、脂肪分に抗酸化作用があるので肝細胞が壊れるのを防ぎます。
 レバーはビタミンの宝庫です。ビタミンは肝臓の様々な酵素の働きを助けてくれます。ただし、食べすぎには注意しましょう。また、肝炎にかかっている方は、鉄が肝臓を悪くする可能性があると言われているので、鉄分の多いレバーは食べ過ぎない方が良いでしょう。枝豆や大豆などは、肝臓の再生に役立つアミノ酸が豊富です。特に大豆に含まれるレシチンは脂肪肝を防ぎ、枝豆にはビタミンCも豊富なので、アルコールの分解を促進し肝臓を守ってくれます。カキはタウリンがとても多い食品で、肝細胞を守る働きがあります。

肝臓入門講座|みんなの肝臓|


●ハツラツ問答

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question

お酒は鍛えれば強くなる?

Answer
 アルコールを飲み続けていると、通常アルコールを分解するときに働いている酵素以外の酵素が手助けをしてくれるようになります。すると、代謝のスピードがわずかに早くなります。アルコールに強くなったと感じがちですが、それは錯覚で実際は変わっていません。というのは、お酒を飲みつづけていると、最初はわずかなアルコールでも“酔った”と感じていた脳が、段々慣れてきて、よりたくさん飲まないと酔ったと感じなくなるのです。肝臓のアルコール代謝機能は変わっていません。つまり、脳が鈍感になっているだけで、お酒に強くなったというわけではないということです。お酒が弱い、強いというのは、遺伝で決まっている酵素の力なので、それを変えることは難しいと思います。


question

お酒の良い点は?

Answer
 貝原益軒が江戸時代に書かれた「養生訓」の中には、“アルコールは薬にも毒にもなる。適量を飲めば長生きする”とあります。最近の研究で、1日に1合以内のごく少量を飲む方は、ストレスがうまく発散できたり、血流が良くなったりして、生物学的な年齢が5%若くなるというデータが得られています。例えば、40歳の方であれば、38歳くらいの体の機能を保てるということです。お酒は毒だと言われていましたが、飲む量をごくわずかにすれば、確かに良い面もあります。但し、少量のお酒でもやはり休肝日はとった方が良いでしょう。
アルコールと肝臓病|e-ヘルスネット[情報提供]




question

二日酔いの良い解消法は?

Answer
 アルコールを飲むと、頻繁にトイレに行きたくなりますが、このとき体は脱水状態になっています。また、普段おとなしい人が元気になったりもしますが、細胞も同じように活発に活動するようになります。すると、エネルギーになる糖分を使い切ってしまい、身体が低血糖状態になります。また、アルコールの代謝の過程で酢酸が作られ、体内が酸性に傾いてしまいます。こういったことが脳に影響を与え、頭痛、吐き気などの“二日酔い”を引き起こすのです。二日酔いは病院に行って点滴を打ってもらえばすぐに治りますが、それができない方は、糖分、水分、そしてアルカリ性のものを補うことが重要になります。スポーツドリンクはこれらを全て含んでいるのでおすすめです。

2013/12/12

ウイルスのキャリアだとわかった場合

■肝炎ウイルスのキャリアとは

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 「肝炎」の約9割は、肝炎ウイルスに感染して起きる「ウイルス性肝炎」です。ウイルスに感染すると、免疫の働きによってウイルスを排除しようとしますが、ウイルスを排除しきれず、ウイルスが体の中に残っている人を、ウイルスの「キャリア」と言います。キャリアになると、一部の人は「慢性肝炎」を発病し、これを治療せずに放置すると、やがて「肝硬変」や「肝がん」に進行することもあります。
 数種類ある肝炎ウイルスのなかでも、「慢性肝炎」を引き起こすのは、ほとんどがB型とC型のウイルスです。

急性肝炎の症状|気づかずB型肝炎のキャリアになる危険性も


■キャリアかどうかを調べる検査

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 肝炎ウイルスのキャリアかどうかは、血液によるウイルス検査でわかります。肝機能の異常を指摘されていない人も、ぜひ一度はウイルスの検査を受けて、確認しておくことが大切です。特に、C型肝炎の場合、感染原因が不明の場合が多く、感染してキャリアになっていても気がつかずにいる人が多いと言われているので、厚生労働省では、図1にあげた人を中心に、ウイルス検査を積極的に受けるよう呼びかけています。
 B型肝炎ウイルスの検査では、「HBs抗原」や「HBV‐DNA」を、C型肝炎ウイルスの検査では、「HCV抗体」や「HCV‐RNA」を調べます。
B型肝炎・キャリアの方が日常生活で気をつけること


■キャリアと診断されたら

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 このような検査でキャリアと判定されても、すぐに治療が必要なわけではありません。肝炎が起きていないのに治療を開始すると、体の免疫機構が目覚めて、かえって慢性肝炎になるのを早める危険性があるからです。
 慢性肝炎の発病は、肝機能検査のなかでも、ALTの値の変化で判断できるので、キャリアと診断された人は、定期的に肝臓の専門医を受診し、肝機能検査を受けることが大切です
肝臓疾患に関しての院長の資料|医院からのお知らせ
2013/12/12

脂肪肝は、肝硬変になりやすいので特に注意

■肝臓の働き

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 肝臓は、"沈黙の臓器"と呼ばれています。肝臓の主な働きは、「代謝」、「解毒」、「胆汁の合成」の3つです。
肝硬変が脾臓に与えるダメージ -症状や対処法など家庭の医学情報- カラダノート



■脂肪肝とは

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 30%以上の肝細胞に脂肪が蓄積された状態を「脂肪肝」といいます。「肥満」「糖尿病」「アルコールのとり過ぎ」が、脂肪肝の3大原因と言われていますが、その中で最も注意が必要なのが「アルコールのとり過ぎ」です。アルコールによる脂肪肝を放置すると、「肝硬変」になる危険性があるからです。肝硬変になると、やがて「肝不全」を起こしたり、「肝がん」が発生することもあります。



■飲酒量と肝硬変のリスク

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 アルコールによる脂肪肝を放置すると、早くて5年ほどで肝硬変になります。肝硬変まで進む危険があるのは、、特に「大量飲酒家」と言われる人は、肝硬変になる危険性が極めて高いと言えます。
 肝硬変にならないためには、まず脂肪肝にならないことが大切です。
一般のみなさまへ | 日本消化器病学会


■脂肪肝の発見と治療

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 脂肪肝を診断する目安になるのが、図3にあげた検査項目の数値です。これらの数値に注意して、早めに脂肪肝を発見することが大切です。
 検査で脂肪肝を指摘されたら、肝臓の脂肪を減らす治療をします。治療の基本は生活習慣の改善です。このような生活習慣の改善は、脂肪肝の治療だけでなく、予防にも役立つので、ふだんから心がけるとよいでしょう。

肝硬変の原因と症状?あなたの肝臓は大丈夫?
頑張った肝臓の疲れに注意
2013/12/11

肝臓を守る/検査でわかるあなたの肝臓

■血液検査(1) GOT、GPT値

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GOT、GPT値は、職場の健康診断や人間ドックなどで一般的に行われる検査です。 GOTとGPTは肝細胞の中に存在する酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ出てきます。ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんなど、何らかの肝臓障害が起きると、たくさんの肝細胞が破壊されるため、GOTやGPT値が基準値の何倍、何十倍、何百倍、ときには何千倍にもなります。その値によって、原因となっている病気をある程度推測することは可能ですが、病名を診断するには、さらに詳しい検査が必要になります。なお、GOTとGPTの値は、現在どのくらいの肝細胞が破壊されつつあるかを示したものなので、慢性肝炎ですでにどのくらい肝細胞が破壊されたのかを読み取ることはできません。
肝臓、胆道、膵臓の病気の検査



■血液検査(2) ウイルスマーカー検査

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肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査が「ウイルスマーカー検査」です。GOTやGPTが基準値であっても、肝炎ウイルスに感染していることがありますし、GOTやGPTが高い場合には、その原因が肝炎ウイルスなのかどうかがわかります。ウイルスマーカー検査には、B型肝炎ウイルスについて調べる検査と、C型肝炎ウイルスについて調べる検査とがあります。
 B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、B型肝炎ウイルス(抗原)のいちばん外側の層に含まれている「HBs抗原」の存在と、この抗原に対する抗体(HBs抗体)の有無を調べます。この検査で、現在、B型肝炎ウイルスに感染している「HBs抗原陽性」とでた場合は、B型肝炎ウイルスの強さの程度を調べるため、B型肝炎ウイルスの核に存在する「HBe抗原」や、HBe抗原に対する抗体(HBe抗体)の有無を調べます。これらによってB型肝炎ウイルスの強さの程度がわかります。
 C型肝炎ウイルスは、ウイルスの抗原を見つけるのは難しいので、それに対する抗体である「HCV抗体」の存在を調べます。これが陽性の場合には、さらにC型肝炎ウイルスの遺伝子である「HCV‐RNA」の存在を調べ、現在、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べます。 図2 ウイルスマーカー検査
基準値(代表的な項目のみ) - 北里大学病院 臨床検査




■そのほかの検査

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脂肪肝かどうかを判断するためには、GOT、GPT値を調べるとともに超音波検査の画像検査によって、肝臓の状態を調べます。また、慢性肝炎の進行度や、すでに肝硬変になっているかどうかなどを調べる場合に行われるのが「肝生検」です。肝生検は、肝臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で観察する検査で、肝臓病の進行度を調べる精度の高い検査です。しかし、検査で腹部を1cmほど切開するなど患者さんへの負担が大きいため、一部の患者さんにしか行われません。
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