2014/01/12

高齢者の水頭症

■こんな症状が現れたら

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 「高齢者の水頭症(特発性正常圧水頭症)」は、まだ広く知られていない病気ですが、痴ほう外来などに来る患者さんの約2〜5%を占めるといわれています。脳にある水「脳せき髄液(髄液)」の循環障害が主な原因だと考えられています。
 主な症状は「歩行障害、軽い痴ほう、尿失禁」で、これらが単独、あるいは組み合わさって現れます。水頭症の疑いのある症状が見られる場合には、脳神経外科や神経内科の受診をお勧めします。



■治療法は?

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 診断では、まず症状の確認や、CTやMRIによる画像検査が行われます。これらの検査の結果、水頭症の疑いが強い場合には、髄液を採取する検査が行われます。この検査直後から3〜4日後までに、歩行障害の改善があれば、水頭症と診断されます。
 治療では、主に手術が行われます。手術は、脳にたまった髄液をおなかに流すために、体内に細い管を埋め込む「脳室—腹腔シャント術」が、多く行われています。手術ができない場合は、診断のときと同様に、髄液を繰り返し採取して、症状を和らげる治療が行われます。



■日常生活のケア

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 手術後、髄液が脳からおなかに流れ過ぎると、「手足のまひや意識の低下」が起こる危険があります。いつもと様子が違うなどの変化がないかどうか、周りの人が注意して見守るようにしましょう。また、細菌感染による「髄膜炎」などの感染症や、お年寄りに多い肺炎などにも注意が必要です。


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2014/01/10

家族がアルツハイマー病になったら/介護をするあなたに

青梅慶友病院副院長
斎藤 正彦 在宅介護では、介護する人自身のゆとりが、よりよい介護につながるものです。周囲の人の理解と協力を得て、無理なく取り組むことが大切です。


■在宅介護の進め方

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 アルツハイマー病になって、最も心が傷ついているのは、患者さん本人なので、まず、患者さんの心の混乱を鎮め、いたわりの気持を持つことが大切です。
 介護は、患者さんが今までしていたことができなくなったときに、さりげなく手伝うことから始まります。そして病気が進行し、さまざまな症状が現れたら、それに応じて身辺の介助や、問題行動への対処など必要な介護を加えていきます。家庭で介護をする場合は、次の3点を心にとめておきましょう。



■病気への理解を深める

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 アルツハイマー病は、病状が徐々に進行していく病気で、回復することは望めません。その現実を受け入れることが介護の出発点となります。
 アルツハイマー病の患者さんの言動は、時に不可解で、対応に困ることが少なくありませんが、病気に対する正しい知識を持って、適切に対応することが求められます。介護する人は、医師に患者さんの病状をよく聞いたうえで、患者さんの性格や、家族の歴史などに配慮し、「今、患者さんはどう感じているのか」を考えれば、対応の糸口は見つかるでしょう。



■自分が気持のよい介護を

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 介護する人が、自分の生活を犠牲にし、我慢を重ねながら介護していては、心の余裕がなくなり、患者さんに辛く当たってしまいがちです。また、「自分の親だから」といった義務感で、「在宅介護でなければならない」と思い込むのもよくありません。
 介護する人は「自分が気持のよい介護」を目指してほしいと思います。心に余裕をもって接することができれば、患者さんの不安を和らげるのにも役立ちます。そのためには、在宅介護を支援する制度を活用し、自分の時間をもつことが大切です。



■周囲を巻き込む

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 介護をスムーズに進めるには、家族や親戚など、周囲の人たちの理解を得ておくことが必要です。医師の話を聞くときなどに、家族や親戚の人もいっしょに立ち会ってもらうと、患者さんの状態を正確に把握してもらえ、理解も得やすくなります。
 また、介護を分担してもらったり、介護用品の買い物などで協力してもらうことも、病気を理解してもらううえで役立ちます。


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2014/01/09

老人性痴ほう症と向き合う なぜ大切?早期診断

■「治る痴ほう」を発見できる

 痴ほうのなかには、「治る痴ほう」もあります。「うつ病」や「内分泌疾患」などの病気や、「高血圧などの薬の過剰使用」が原因で、痴ほうのような症状が出ている場合です。このような場合、原因となっている病気の治療や、薬の量の調節で、症状が治まることがあります。
 実際に、痴ほうを心配して受診する人の約20%は、「治る痴ほう」です。ただし、「治る痴ほう」もほうっておくと悪化して、治療ができなくなることもあります。そのため、症状に気づいたらできるだけ早く専門医を受診し、診断を受けることが大切なのです。



■薬などで進行を遅らせることができる

 「アルツハイマー型痴ほう」は残念ながら、今のところ進行を止める方法はありません。しかし早期であれば、薬やリハビリテーションで、進行を遅らせることのできる可能性が大きくなります。治療に使用される薬は内服薬の「塩酸ドネペジル」です。服用後約38週間は、いく分か症状が改善されますが、その後痴ほうは進行していきます。しかし、薬を服用しない場合に比べると、薬を服用した分だけ、痴ほうの進行が遅れることになります。この薬は脳の働きを活性化させるものですが、失われた脳の機能を回復する薬ではありません。そのため、あまり痴ほうの進行していない早期から使ったほうが、効果があります。
 一方、痴ほうのリハビリテーションは、脳の機能の回復だけを目的にしたものではありません。症状があっても、安全に生活する方法を、患者さんと家族で見つけることも重要な目的です。安全に生活できることで病気への不安が軽減すると、痴ほうの進行が、遅くなったりすることもあります。



■自分で将来の準備ができる

 「アルツハイマー型痴ほう」は、進行すると判断能力が低くなっていきます。判断能力が高い早期に診断を受けておけば、今後の治療方針などを、患者さん自身が家族と話し合っておくことができます。例えば「終末期に延命治療を受けるかどうか」などについて、自分の意思を伝えておくことも可能です。
 また、症状が進行すると、自分の財産の管理も難しくなります。そこで、判断能力が低くなってからも、自分の財産を守るための制度として、「成年後見制度」などがあります。これは、判断能力の高いうちであれば、「将来、財産をだれに維持、管理してもらうか」を自分で決めることができます。


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2014/01/08

新常識 お年寄りの心と体/若いときとは違う薬の効き目


年をとると、薬をのむことが多くなります。薬に関する正しい知識を身につけ、薬と上手につきあう方法を見つけてください。また、医師や薬剤師とコミュニケーションをよくとり、薬に関する疑問や不安を解決しましょう。

■お年寄りと薬

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年をとると、体にさまざまな変化が起こるため、薬を服用する場合に若いときとは違う作用やトラブルが起こることがあります。例えば、年齢とともに、薬を代謝(分解・解毒)する肝臓や排泄を行う腎臓の機能が低下して、薬が効き過ぎる場合があります。複数の薬をのむ場合は、悪いのみ合わせによる副作用(薬物の相互作用)が起こる可能性もあります。また、目が見えにくくなって薬を間違えたり、耳が聞こえにくいために医師や薬剤師の説明を聞き間違えたりするトラブルや、薬を上手に袋や包装シートから取り出せない、カプセル剤や粉薬を上手にのみ込めないといったトラブルもあります。多種類の薬をのんでいる場合は、のみ忘れやのみ間違いなども起こりやすくなります。


 
■薬のトラブル防止法

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薬をのんでいて少しでも気になることがあったら、早めに医師や薬剤師に相談してください。自分勝手に服用するのを止めてしまうのはよくありません。薬の種類、量、のみ方などを変えることによって、ほとんどのトラブルを解決することができます。また、のみ方をちょっと工夫したり、補助具などを利用することによって、薬とより上手につきあうことができます。
 患者さん自身が薬について正しい知識をもち、自分で薬を管理する心構えも大切です。今のんでいる薬の「薬の種類、名前、作用」「のむ量とのみ方」「服用時の注意」「のみ忘れたときの対処法」「起こる可能性のある副作用」については自分で知っておくようにし、薬を処方されたら、必ずこれらのことを、「お薬手帳」などにメモしておきます。

■薬についての疑問や不安

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薬の副作用やのみあわせの問題、また、薬の数が多いことなどへの疑問や不安を抱いている患者さんは案外多いようです。確かにお年寄りの場合には、内臓の機能低下によって薬が効き過ぎることがあり、そのために副作用が起こりやすいということはいえるでしょうが、副作用が怖いからといって、必要な薬を自己判断でのまなかったり、量を減らすことは避けてください。なかでも睡眠薬については、「のまないほうがよいのでは」という先入観が強く、実際に、患者さんの自己判断で、薬の服用をやめてしまうケースも少なくありません。しかし、睡眠薬をやめるには一定の手順が必要なので、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。
 疑問や不安は、処方した医師や薬剤師に、遠慮なくたずねてください。また、「何の薬だかわからなくなった」「のみ方がわからなくなった」などの場合も、薬剤師に遠慮なくたずねてください。特に、薬の服用と食事との関係は、注意が必要なものがありますから、わからなくなった場合は、必ず確認するようにしてください。


自分なりの方法で工夫し、薬と上手につきあおう。
■薬局を上手に利用しよう

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お年寄りは、複数の医療機関にかかったり、多種類の薬をのむことが多いので、1か所の「かかりつけ薬局」で、調剤してもらうようにするとよいでしょう。かかりつけ薬局で、薬の重複や悪いのみ合わせなどをチェックしてもらえば、安心です。自宅の近くなど、通いやすく、便利な場所、サービスのよいところを選ぶとよいでしょう。


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2014/01/07

高齢者と薬/老化と紛らわしい副作用

■お年寄りは副作用が起こりやすい

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 たくさんの薬を同時に服用すると、薬の作用がお互いに影響し合い、効き目が変化したり、思わぬ症状を引き起こすこともあります。これを「薬の相互作用」といいます。お年寄りは複数の病気にかかっていることも多いものですが、病気がたくさんあれば、のむ薬の種類も増え、相互作用の起こるリスクも高くなります。
 また、高齢になり、腎臓の機能が低下してくると、薬の排泄に時間がかかり、薬が体内に長くとどまるため、副作用が起こりやすくなります。さらに、運動や感覚機能も低下してくるため、薬によってふらついた場合などでも踏みとどまれず、転倒しやすくなります。
 何かの症状があったり、体調が思わしくなくなると、お年寄りでは老化のせいだと考えがちですが、お年寄りの体調の変化は、さまざまな原因で引き起こされ、薬の副作用による変化も見逃せません。いつもと様子が違うなどの変化が現れたときは、まず医師や薬剤師に相談することが大切です。



■よく見られる副作用

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 「睡眠導入薬」では、歩行困難、尿失禁、記憶障害、視覚障害など、「抗うつ薬」では、手足のふるえ、ふらつき、便秘など、「降圧薬」では、起立性低血圧によるふらつきや転倒、「抗ヒスタミン薬」では、眠気やふらつき、便秘などが副作用として起こることがあります。また、薬によっては「聞こえにくくなる、気分がふさぐ、味がわからなくなる、ものが飲み込みにくくなる、食欲がわかなくなる」などの症状が出ることもあります。こうした副作用は、服用後すぐに起こるものから、数週間、数か月、なかには1年以上たってから現れるものもあります。



■のみ合わせ、食べ合わせ

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 数種類の薬をいっしょにのむと、薬に含まれる同じ働きをもつ成分が重複して、作用が強くなったり、副作用が現れるようになります。また、薬によっては、相互作用により、薬の分解、排泄が阻害されて効果が強まったり、逆に、薬の吸収が阻害されて効果が得られない場合もあります。
 さらに、食品に含まれる成分が、薬の成分に影響して、薬の働きを弱めたり強めたりすることもあります。「グレープフルーツジュースとある種の降圧薬」「アルコールと鎮静薬」「納豆とワルファリン(抗凝血薬)」「チーズと特定のパーキンソン治療薬」などの組み合わせには、注意が必要です。
 そのほか、一部の漢方薬や市販薬、また、健康食品の中にも、相互作用を起こしやすいものがあるので、使用する場合は、医師や薬剤師に相談してください。



■副作用を防ぐために

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 まず、自分の病気と服用している薬について、よく知っておくことが大切です。薬局でもらう薬の説明書はきちんと保管し、処方された薬や副作用を起こした薬などの情報を書き込んだ『お薬手帳』をじょうずに活用するとよいでしょう。また、処方薬だけではなく、市販薬の使用についても気軽に相談できる“かかりつけ薬局”をもつことも大切です。そして、体調の変化や症状が現れた場合は、自分で判断せずに、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。


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